仕方ない一面もあるのかも。
iPhoneのパフォーマンスは、買った日からいつまでも同じ…そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。しかしベンチマークアプリ「Geekbench」の創立者のジョン・プール(John Poole)氏は、iPhone 6sやiPhone 7の一部でバッテリーの経年変化に応じてパフォーマンスが変化していると報告しています。
上のグラフはiPhone 6sのGeekbenchスコアです。左側の計測データはちょうど昨年の今頃に配布された「iOS 10.2」のもので、右側は1年後の2017年12月に配布された「iOS 11.2」のデータ。iOS 10.2では全てのデータがスコア2500付近に収束しているのにたいし、iOS 11.2では2500だけでなく2150前後、1800前後、1400前後、1000前後…と、複数のグループにわかれていることが見て取れます。このような現象は、iOS 10.2.1から報告が始まりました。
なお、iOS 10.2.1では「iPhoneの意図しないシャットダウン」に関する問題が修正されています。この問題はバッテリーの経年劣化が原因だともいわれており、iOS 10.2.1からはバッテリーの状態に応じてパフォーマンスを下げ、負荷を減らすシステムが導入された可能性があるのです。あくまで可能性ですが、ちょっと気になりますね。なお、同様の現象はiPhone 7でも報告されています。
個人的には、このような対処はそれなりに合理的なものだと感じています。バッテリーが経年劣化しているのにプロセッサをぶん回してシャットダウンするよりは、少し性能を抑えてくれたほうが安心して使えるでしょう。
iPhoneを買い換えるとそのパフォーマンスの向上にはいつも驚かされますが、意外とその理由の一つにはバッテリーの劣化があったのかもしれませんね。
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Source: MacRumors
(塚本直樹)