NASAの迷走は続く…
6ヶ月前、NASAは3億4900万ドル(約421億円)(←訂正)かけて真空の試験棟を建設しました。
しかしそれを祝えるような状況ではありません。 有人宇宙飛行は数年前にすでに中止が決定されており、このミシシッピに建設された巨大建造物は、施設の巨大なシンボルとして難なく見つけることができる位のメリットしかないかもしれないからです。
David A. Fahrenhold氏はワシントンポスト紙で、NASAのジョン・C・ステニス宇宙センターに立つA-3試験棟の抱えてきた多くの問題について書いています。
2010年に有人宇宙飛行計画が中止になった後にも関わらず、A-3試験棟の建設はミシシッピ州の出身のRoger Wicker上院議員(←訂正)による改正案によって続けられており、NASAは年間70万ドル(約8400万円)をこの使う予定のな構造物のメンテに費やしているのです。
どうしてこんな悪い状況が長く続いているのか。オリオン宇宙船の経緯をご存知の方であれば、NASAの問題の概要を知っていると言えるでしょう。
2004年にNASAは再び有人月面探査と、火星への有人飛行を計画しました。
しかし、2010年にそのコンステレーション計画を中止し、その代わりに人間を小惑星へ送り込むことをメインにした計画を立てたのです。オリオン宇宙船は廃止になるのを免れ、12月初旬に試験飛行が行われました。計画通りに進めば、オリオン宇宙船はいつの日か(←訂正)宇宙飛行士を小惑星を送り届けることができるようになるとのことです。
しかし、A-3試験飛行場は使われないままなのです。
この試験飛行場の真空実験施設は大気圏を過ぎた後に宇宙船のロケットエンジンがちゃんと動作するかのテスト用に特別に設計されており、現在このロケットを使う予定はなく、A-3試験棟を利用する方法は他にはないとのことです。
A-3試験棟は、まるでNASAに明確な目的意識がないことを象徴しているかのような施設とも言えます。次々と目的を変更することにビジョンなどなく、利益誘導型政治に利用されているに過ぎないのでしょう。
UPDATE: 桁と肩書きなど訂正しました。
source: Washington Post
Sarah Zhang - Gizmodo US[原文]
(小山和之)