疑問にすら思ったことなかったかも…。
マウスカーソルの矢印はなぜ、上向きではなく斜め45度に傾いているのか。当たり前すぎてそもそもカーソルのアングルについて疑問をもったことのある人も少ないのではないでしょうか? このデザインに特に理由なんてなさそうに見えますが、画素が粗かった時代ならではのちゃんとした理由があったそうです。
この質問に対しQ&Aサイト「Stack Exchange」では、ソフトウェア開発者のバート・ジッセンズ(Bart Gijssens)さんが、なぜカーソルが傾くようになったのか、その成り立ちを解説していました。
歴史的にはこういうことのようです。
(コンセプト画像は以下のドキュメントから拝借。)マウスとマウスカーソルを発明したのは、ダグラス・エンゲルバート(Douglas Englebart)さん。カーソルの矢印は元々、まっすぐに上を向いていました。
しかしPARC(ゼロックス・パロアルト 研究所)でAltoが開発された頃、カーソルの矢印の方向が斜め45度へと変わったのです。その当時の画素数の少ない画面においては、上向き矢印のカーソルよりも認識しやすく、斜め45度の矢印も描画もしやすいということが発見されたからでした。
下の画像からも分かるように、元々考案された上向きのカーソルだと、他のテキストなどが並ぶなかでは判別しにくかったようです。
エンゲルバートさんが発明した左に傾くカーソルは、スティーブ・ジョブズがLisa開発に取り入れ、ジョブズに続く形でビル・ゲイツも取り入れることになったと、ジッセンズさんは回答に追記しています。今の世の中では、斜め45度の(しかも実用的な)カーソルにあまりにも慣れ親しんでいるので、他の形だったら…なんて考えられません。そもそも、既に完璧なモノを変える必要なんてないですしね。
カーソルの形なんてもの凄く些細なことではありますが、Alto開発前の上向き矢印のカーソルのままだったら、操作のたびにイライラしていたかもしれません。先人の発明に感謝、ですね。
[Stack Exchange via Digg]
Ashley Feinberg(米版/たもり)