世界を変えたプログラム。
米国のコンピューター歴史博物館が、すごいお宝を公開してくれました。1978年に書かれた、Apple IIの最初のDOS(ディスクオペレーティングシステム)のソースコードです。
Apple IIは世界で初めて個人向けに大量生産されたコンピューターで、いわゆる「パソコン」の元祖と言える存在です。一番安いメモリ4KBバージョンで1300ドル(当時の為替相場では約26万円)しましたが、色や画像、音声の出力が可能で、拡張スロットを搭載、ゲームパドルも付属、そしてプログラム言語のBASICも内蔵されていました。
有能なハードウェアに合わせてソフトウェアもそれなりに高度なものが必要でしたが、当時のアップルはたった15人のチームで、そんなソフトを作る余力がありませんでした。なので彼らはそのソフト開発をシェパードソンという会社に1万3000ドル(当時約260万円)で委託し、プログラマーのポール・ロートン氏がそれを引き受けました。彼は必要な機能の開発を7週間の超スピードで完了させ、それによってアプリケーションがBASICコマンドを通じてディスクファイルにアクセスできるようになりました。ロートン氏の開発したDOSは古いファイルマネジメントシステムと近年のOSのブリッジとなり、コンピューターのあり方を大きく変えていきました。
このDOSの著作権はアップルに帰属していますが、彼らがコンピューター歴史博物館に対し公開を許可したというわけです。ソースコードだけじゃなく、下にあるような契約書とか手書きの資料、議事録とかもあって、ついいろいろ見てしまいます。
[Computer History Museum via 9to5mac、Image by br1dotcom under Creative Commons license]
Jamie Condliffe(原文/miho)