カタールのW杯予定地でネパール移民が奴隷のように酷使されて1日ひとり死んでるとか...

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カタールのW杯予定地でネパール移民が奴隷のように酷使されて1日ひとり死んでるとか...

世界一の金持ち国が世界一の貧乏国から移民呼びよせて世界一人気のイベントに備えると、やっぱりこういうことになってしまうんでしょうか…。

2022年ワールドサッカー開催地カタールでスタジアム建設も始まる前からネパール移民が奴隷のようにこき使われて状況悪化が懸念されている実態が、英紙ザ・ガーディアンの報道で明らかになりました。

カタールではW杯開催までに450億ドル投じて更地に新都市「ルサール・シティ(Lusail City)」 を開発し、そこに会場となる9万人収容のスタジアムを建てる計画なのですが、この新都市開発で無数のネパール人が酷い時には華氏120度(49℃)の酷暑の中、無料の水も賃金もロクに与えられないまま何日もぶっ通しで働かされているのだとか…。

猛暑の盛りには1日ひとりの割合いで死者が出た、という推計も(ネパール大使館の資料)。ほとんどは若い青年で、死因は突然の心発作・心不全・労災が過半数。リッチな国の若者の命がけのプレーのためにプアな国の若者がばったばたと死んでるなんて…気が滅入りますよね…。

雇用主は労働者を借金漬けにしてパスポートを没収しIDカードも支給せず、不法滞在外国人のステータスにして逃げ場を塞ぎ、ひと部屋に12人押し込め、シーツは2年も取り替えず、トイレは溢れかえるまま、食べ物は蝿だらけ、こんな劣悪な生活環境なので病気がすぐ広まってしまうのです。あまりにも人間が住む環境じゃないため、カタールにあるネパール大使館に保護を求めて逃げた労働者も30人にも及ぶのだとか。ガーディアンの動画を見ると、逃げる気持ちはよくわかります…。

しかし彼らに逃げ場はありません。「逃げたくても会社が許してくれない。かといって逃走すれば違法滞在になって、他の仕事も見つかりづらくなる。警察にいつ捕まるかわからないし、捕まれば本国に送り返されてしまう。ここを離れたら居住許可ももらえない」と、ある労働者はこの板挟みの状況をザ・ガーディアンに語っていますよ。

いちおう事業を総括する Lusail Real Estate社は「ザ・ガーディアンに報道された劣悪な労働環境の疑惑については詳しく調べ、法律や弊社との契約を破る行為を働いた個人・企業があればしかるべき措置を講じたい」と言ってますが、こういう下請け会社は他にも無数にあって、W杯はまだ10年先。開催が近づくにつれ違法な雇用がもっと広まる可能性もあり、人権保護団体はまったく楽観視してないようです。

[The Guardian]

Image via Getty

ADAM CLARK ESTES(原文/satomi)