B.P. =Before Photoshop時代
世界を代表する国際的な写真家グループ、今年で66年目を迎えるマグナム・フォト。世界的に有名な数々の写真は、このグループから生まれたものが数多くあります。マグナムのプロ現像家Pablo Inirio氏は、Photoshopがなかった時代、どのように写真を現像/編集していたのでしょうか。
暗室を経験したことがない人からは、そのプロセスは途方もないもののように感じるかもしれませんね。画像の左は、Inirio氏が現像/編集の詳細を書き込んだもの、右は最終的に出来上がった完成品。
Photoshopがなかった時は、何度も何度も同じ写真を現像しては微調整を繰り返したのです。1枚の写真を完成させるのに、膨大な労力と時間が必要とされました。写真の全体を焼き付けて、フィルターを入れ替えてコントラストを調整し、穴があいたツールで一部だけ光を当てたり、はたまた手やボール紙を使って逆に一部には光を当てないようにしたり。ここは何秒、あっちはプラス何秒、そしてそっちはマイナス何秒。その細かく複雑なメモを、何度も刷りなおしていく写真の1枚にメモしていたのですね。
[The Literate Lens via Photographers on the Brain]
そうこ(NICK STANGO 米版)