ファイルじゃないものも同期できるAPI。
かつてスティーブ・ジョブズは、「Dropboxは機能であって、製品ではない」と言ったそうです。そのときは、それが妥当な見方だと思われました。でも今、Dropboxのユーザー数は1億7500万人にも及び、その影響力は大きなものになっています。そしてDropboxは今、単にファイルやフォルダを端末間で同期するだけのツールじゃなくなりました。Dropboxは、みんなのスマートフォンやタブレットやコンピューターの上にあるもの全てを同期しようとしているんです。そこには、たとえば連絡先やメモ、設定、ゲームのセーブデータといった「ファイル」ではないものも含まれています。
それは、Dropboxアプリやファーストパーティのプラットフォームへの統合という形ではなく実現されようとしています。彼らはDatastoreと呼ぶサードパーティアプリ向けの新たなAPIを開発しました。それを使えば、あらゆるデベロッパーがアプリのデータをクラウド経由で同期できるようになり、ユーザーが複数端末でアプリを使っていてもデータはつねに最新に更新されます。すでにTextExpanderや1PasswordなどはすでにこのAPIを使っていて、これによってiOSやAndroid、Windowsといったプラットフォームをまたいだ共有が可能になっています。
多くのアプリでは、エコシステムをまたぎにくくなっています。その結果、たとえばiPhoneとAndroidタブレットを持っていても、写真はiCloudに、ゲームのセーブデータはAndroidに入れておく...といった使い方になっています。現状では、我々はひとつのプラットフォーム上でしか物を買わないように仕向けられているんです。アップルやグーグルやマイクロソフトの姿勢は当面変わらないでしょうが、複数のプラットフォームを横断するためのプラットフォームとしてDropboxを使うことで、ユーザーにとっての自由度が高まりそうです。
さらにDropboxは、ChooserとSaverという新機能も追加しました。それらを使うと他のサードパーティアプリからDropboxファイルにアクセスできたり、Dropboxに直接何でも保存できたりします。
これからどれくらいのデベロッパーがこの機能をアプリに組み込むかはわかっていません。でももし多くのデベロッパーがこれらを採用するようになれば、端末間のデータ共有がより快適になりそうです。
[Dropbox]
Kyle Wagner(原文/miho)