ついにiOS 7が発表されました。ジョナサン・アイヴ氏の主導による初のiOSは、ミニマルでエレガントで、従来賛否のあったアナログっぽいデザインを噂通り一掃したものになりました。以下、アップデートのポイントをまとめていきます。
こちらはまとめの動画です。
来た! フラットデザイン
インターフェースが完全に一新されました。フォントからビルトインアプリからカラースキーム、アイコンまですべて新しくなったんです。これまでのiOSの面影はありません。アイヴ氏自身次のように語っています。インターフェースはあえて地味に抑えています。目を引くような飾りは取り去りました。不必要なバーやボタンは削除しました。そのように価値を生み出さないデザイン要素をはぎとっていく中で、一番大事なものに大きな焦点がこつ然と当たり始めたんです。それは、ユーザーのコンテンツです。
本当に、ムダなものはいっさいありません。すべてはデータと、インターフェースとして不可欠な要素のみになりました。色の使い方そのものもツールとなり、データをハイライトしたりユーザーにヒントを与えたりするものになっています。
さらに重要なのは、標準のグリッドによってiOS全体にフォーカスができたことです。
これらによってiOSはさらにシンプルに、かつ美しくなり、真にそのハードウェアにふさわしいものになったように見えます。
視差効果で奥行き感
アイヴ氏はiOS 7をレイヤーで表現し、モーションセンサーを使って、デバイスの動きに応じてそのレイヤーが3D空間で動くように見せています。いわゆる視差効果(Parallax Effect)で、奥行きが感じられます。
また、この効果を高めるために透過表現も使われています。今使ってないものは、今使ってるものの後ろに配置されます。ダイアログが立ち上がるときは、そのレイヤーが最前面に来て、その前に使っていたレイヤーが後ろになり、要素間の関係が画面上ではっきり視覚化されます。
コントロール・センター
ついに、どこからでも使えるコントロール・センターができました。デバイスの下から上へスワイプすると出てきます。ここから機内モードにしたり音楽のコントロールをしたり、カメラにアクセスしたり電卓を出したり、スリープモードにしたり、Wi-FiやBluetoothを設定したり、といった基本的な機能に1アクションでアクセスできます。
新しいマルチタスキング
マルチタスキングが全てのアプリで使えるようになりました。開いているアプリをブラウズするのも、スクリーン上をスワイプするだけで可能になりました。アプリがカードみたいな感じで、PalmのwebOSを思わせます。アプリを閉じるには上にスワイプすればOKで、こちらはWindows 8をほうふつとさせます。それから、新iOSはユーザーの習慣を学習します。お気に入りが何かってことを学んで、ユーザーが開こうとする前にそのアプリを準備しておきます。なのでアプリの立ち上がりもすごく速いです。この仕組みで何を使ってるのか説明がなかったので、ひょっとしたら虹色のユニコーン・ポニーの血とかを使っているのかもしれません。
通知センター
通知センターのレイアウトが改善されました。ビューが3つあり、今日・全て・未読(Today、All、Missed)になります。「今日」のビューでは、今日その日に来た通知のみが、カレンダーや天気と一緒に表示されます。従来よりだいぶすっきりします。
通知はiOS 7デバイス横断でシンクされるので、同じものをあちこちで消す必要もなくなります。
新しいSiri
Siriには新しい声が加わり、男性バージョンと外国語バージョンができました。さらに賢くなって、画面の明るさを調整したり、最新の留守番電話を再生したりできます。
TwitterやWikipedia、BingといったサービスもSiriに統合されました。
車との統合
Siri(とiOS)は、車と一体化することもできます。iOSが車載の画面に特殊なインターフェースを表示します。Siriがユーザーの指示を聞いてメールやメッセージを読み上げたり聞き取ったり、その他Siriに可能なことを車の中でもしてくれて、結果は車載画面で表示してくれます。この機能はBMWやメルセデス、シボレー、日産、ホンダといったメーカーがサポートする予定です。
新ミュージックアプリ
ミュージックアプリもリデザインされました。よりシンプルに感じられ、新しい機能も追加されました。iTunes Radioです。これはPandoraみたいなものです。
写真とカメラアプリ
新しいシンプルなレイアウトで、各写真は小さく表示されずに済むようになりました。写真アプリでは、写真を自動でCollections、Moments、Yearsで整理してくれます。たとえば、先週ある場所で撮った写真をまとめて見たりできて、一部の写真だけ大きく表示したりもできます。
カメラでは複数のフォーマットををサポートするようになり、たとえば正方形の写真も撮れるようになりました。これはInstagramのおかげでしょうか。それから、フィルターも付いています。
AirDrop
デスクトップ版と同じように、AirDropを使ってiPhoneの中にあるいろんなものを他のiPhoneやコンピューターとWi-FiやBluetooth経由で共有できるようになりました。アップルによれば、暗号化されているので政府機関とかじゃない限り誰ものぞき見ることはできません。
AirDropは新しい「共有」パネル(上の画像左)に統合されているようで、受信側が有効にするかどうか設定できるみたいです。
Safari
Safariも他のものと同様にアップデートされます。スクロールバーやボタンが基本的に見えなくなり、クリックしたときだけ表示されます。新しいタブビューもすっきりしていますが、一番便利そうなのは共有リンクのブックマークリストで、ここには自分のTwitterのタイムラインに自分とか自分のつながってる人がポストしたURLが集まっています。
iCloudベースのKeychain
iCloud Keychainには自分の使っているパスワードやクレジットカード番号、その他クラウドに入れておきたいもの全てが256ビットのAES暗号化された状態で保存されます。それからランダムなパスワード生成もしてくれて、それもクラウド上に保存されます。これは人気の「1Password」に似ているんですが、Safariと完全に統合されていて、クラウドもDropboxじゃなくアップル自身のサービスである点が違いです。
その他
以下のような機能が発表されています。
- 高品質な、音声のみのFaceTime。
- アクティベーション・ロック。デバイスを盗まれても、第三者がアクティベートできないようにできる。
公開時期
デベロッパー版は今日から公開になります。iPad用のベータが数週間以内に出ます。最終バージョンは今年秋、おそらくiPhone 6(とか5Sとか)と同じタイミングで出てくる予定です。Jesus Diaz(原文/miho)