薄く凍てつく冬の海に、音もなく果てしなく広がる氷の花、花、花...。この世のものとも思えない風景だけど、広い地球にはこういう眺めもあるんですね...。
この霜の花には塩分とバクテリアが豊富に含まれており、手ですくおうと思っても、そんなに簡単にはいかないんだそうですよ。
どのようにして形成されるのか? 海洋学博士課程のジェフ・ボーマン(Jeff Bowman)さんはこのように話しています。
北極・南極の海に氷が張る冬場にしばしば見られる現象。フロストフラワー(霜の花)の化学構造は複雑で、空中の凍った水分と凍った海面から出る塩分から成る。塩分が構造体の中に移動するのでかなりしょっぱく、塩分濃度は海水の最大5倍にもなる。同じ仕組みで、海水に含まれる他のもの(例:バクテリア)の濃度も高い。
南極海にも北極海にもものすごく沢山咲いてるのに、花を採るのは容易じゃない。
花の下にある氷が薄すぎて、歩いて渡れないことも多いし、氷にくっついてるから風にも吹かれない。簡単な採取方法は、風や波に洗われて氷の張ってない場所(小さくて短命なものは「水路(lead)」、大きくて長寿なものは「氷湖(polynya、ポリニア)」と呼ばれる)を探すことだ。
以下はラボで再現した霜の花。
Deep Sea Newsのマーティニ(Martini)博士曰く、霜の花の形成が起こるのは以下の条件が揃った時だそうです。
1.無風状態。こんな美人、風に当てちゃいかんよね?
2.冷たい空気。水より20℃低くなきゃいけない。海水はマイナス2℃前後で凍るので、気温はマイナス約22℃(華氏マイナス7.6度)が必須。ブルブル...
う~ん、手が届きそうで届かない...そう思うと余計に美しく感じますね。いつかこの目で見てみたいものです。
[Jeff S. Bowman and Deep Sea News]
Image by Matthias Wietz.
satomi(Jesus Diaz 原文)