毎年誕生月に届くねんきん定期便の郵便物に音声コードと呼ばれるバーコードが付いているのをご存知ですか? QRコードならよく知っているよ! という人も、音声コードは聞きなれないんじゃないかと思います。
音声コードは、目の不自由な人など向けに文書の内容を音声で読み上げるための元データが印刷された二次元バーコードです。1つのバーコードで、800文字分のデータを入れることができるそうですよ。また、メーカーによっては、SPコードと呼ばれることもあるそうです。
この音声バーコードは、国や市町村が発行する公的な印刷物や冊子などに添付されていることが多いのですが、無料で配布されているソフトとWordを組み合わせて使えば、自分で作ったWord文書に音声コードを添付することができるそうです。
じゃぁ、QRコードみたいに、携帯電話やスマホで取り込んで簡単に読み上げができるのかと思ったのですが、携帯電話に音声コードを取り込む機能はありませんし、スマホ用アプリで音声コードを取り込むものもないようです。
この時点でおやや...とも思ったのですが、音声コードに対応した機器というと、「テルミー」「スピーチオ」といった音声コード読み上げの専用機や、音声コードに対応したドコモの携帯電話なら「らくらくホンベーシック3」 もあります。ちなみに、「らくらくホンベーシック3」は、単体で音声コードを読み上げられず、「音声コード読み上げ補助アダプタ(OWL)」も必要なようです。
音声コードの生成までは環境さえ整っていれば、音声コードが添付されたWord文書を作るところまでは、比較的簡単にできるようですが、印刷して実際に利用する...となると以下のような条件が必要になるそうです。
■音声コード印刷の条件
・レーザープリンター600dpi以上が必要(インクジェットプリンタはNG)
・決められた余白や切込も含め正しい位置に印刷すること
・光沢系(ミラー系)の用紙や凹凸のある用紙は避けること
こうやって色々見ていくと、音声コードはQRコードとは似て非なるもので、手軽に利用できるものではないようですね。国や市町村が発行した色々な印刷物に載っているだけに非常に残念な気持ちになりました。
残念な気持ちになったまま終わらせるのもどうかと思ったので...他に似たようなものがないのかと調べてみると、日本テレソフトの「ボイスアイ」というものがありました。こちらの方が音声データ用の2次元バーコードとしては、使い勝手の面で現実的ではないかと思ったので、紹介しておきます。
「ボイスアイ」の説明の中に、SPコード(音声コード)が抱えている問題点の指摘があったので、抜粋しておきます。
印刷に制限の多いSPコードに対して、インクジェットなどでもOKなため、取扱いが非常に簡単となっています。専用の読み取り器を使用せず、スマートフォンでアプリをダウンロードすることで使えます。
上記の説明にもあるように、スマホ(iPhoneやAndroid)でアプリが無料でダウンロードできます。また、専用の2次元バーコードの「ボイスアイ」もWebページからも生成可能なので、非常に手軽でいい感じです。
こうやって見ていくと、音声コードよりもスマホ対応でアプリを追加するだけで、簡単に利用できる「ボイスアイ」のような二次元バーコードの方が使い勝手は良さそうですね。
今後、「ボイスアイ」が音声コードに代わる文字情報を読み上げる二次元バーコードのデファクトになりうるのかどうかは分かりませんが、もう少しスマホが普及したら、音声コードだけでなく、「ボイスアイ」のようなスマホ対応の二次元バーコードも、国や市町村が発行する印刷物に添付してもいいんじゃないかなと思うんですけど、どうなんでしょうかね。
平成24年度にお送りする「ねんきん定期便」[日本年金機構]
SPコード普及キャンペーン「SPコードの作り方」[JAVIS]
OWL(オウル)の説明[BEX]
音声コード作成の注意事項[Tellme]
音声コード 活用事例一覧[BEX]
ボイスアイ[日本テレソフト]
(KENTA)