大きく大きく大きくなーれ。
Googleによるモトローラの買収が世間を騒がしております。買収額は125億ドル(約9600億円)この買収によってGoogleはこれからさらに大きなAndroid戦略をしかけていくのですね。
さて、125億ドルでの買収はGoogle買収史上最も大きなビジネスになるであろうと言われていますが、Googleは今まで実に多くのビジネスを手中におさめてきました。たくさんのテック業界関連会社を買収し多くの特許を手に入れ、それによって大きな成功を掴んできました。サーチエンジンの会社が手がける動画サイト、モバイルOS、ディスプレイ広告はどれも会社にとって非常に大きな役割を果たしています。そのどれもが元は他社から得た技術から始まったもの。モトローラ買収までの、過去10年ほどのGoogle買収劇、見てみましょう! 買収額が低い物からどうぞ。
Androidモバイルプラットフォーム買収額:5000万ドル(推定)
Androidの父と呼ばれるアンディ・ルービン氏が設立したAndroid社を2005年に買収。Android端末のプラットフォームは開始から3年足らずで世界最大となった。
買収額:5000万ドル
ソーシャルQ&AサービスのArdvarkを2010年2月に買収。現在のところ、このサービスに関するあまり表立った結果は出されていない。が、Google のコード内にArdvarkサービスを示唆するものがあり、ソーシャルネットワークでの今後の動きが注目されている。
買収額:7000万ドル
モバイル決済のプラットフォームのJamboolを2010年8月に買収。今後Googleのソーシャルネットワーク事業にかんでくるだろうと予想されている。アプリ内課金サービスが注目されており、Googleの発表によるとJambool Social Goldのサービスは終了し、独自のアプリ内課金システムを代わりにリリースさせる、とのこと。
買収額:8100万ドル
24歳のNat Turner氏が創設者のDSPプラットフォームのInvite Mediaを2010年6月に買収。今のところ、まだGoogleが提供する広告サービスに組み込まれてはいない。最近になってGoogleは公式ブログで広告主はどういう時にInviteとGoogle Display Networkを使い分けるのがいいかを語っている。
買収額:1億ドル
広告主、ユーザーがRSSフィードを管理できるツールFeedburnerを2007年6月に買収。が、RSSの重要性がTwitterの台頭により低下。Feedburnerの創設者であるDick Costolo氏は、現在TwitterのCEOを務めている。
買収額:1億ドル
ビジュアル検索のLike.comを2010年夏に買収。元Like.comのチームはGoogleの女性ファッションサイトBoutiques.comに携わった。
買収額:1億200万ドル
広告分野強化のために2003年4月に買収。Android買収が最も成功した買収だと思われがちですが、ROI(投資収益率)から見るとApplied Semanticsの買収も負けてはいない。この買収によってAdSenseが作られ、Googleに実に大きな利益をもたらし続けている。
買収額:1億200万ドル
ラジオ広告の自動配置プラットフォームのdMarcを2006年に買収。が、この買収は失敗に終わる。期待はされたものの、ビジネスが飛躍することなく2009年中頃にはサービス終了。
買収額:1億3300万ドル
動画圧縮技術を持つのOn2を2010年1月に買収。元の買収金額は1億600万ドルであったが株主がより高値を希望した結果1億3300万ドルでの買収となった。昨年夏、GoogleはVP8動画コードをオープンソースにすると発表。On2より得た技術でWebMと改名。WebMがH.264に代わるウェブ動画の新たな標準となるようただ今猛プッシュ中である。
買収額:2億2800万ドル(推定)
ソーシャルゲーム制作のSlideを2010年8月に買収。初めは1億8200万ドルでの買収と報じられたが、後に買収額が2億2800万ドルだったと訂正された。Slideは買収後もGoogle内で独自チームとしてゲーム開発を続けている。Google への関わりが現在のところあまり見られない。一方でPhotovine等のアプリ開発を行っている。
買収額:4億ドル分のオンライン広告と交換(交渉中)
Googleは、ディスプレイ広告強化のためにAdmeld買収の計画があると2010年6月に発表。ただ今交渉内容確認中。さてどうなる?
買収額:6億2500万ドル
Eメールセキュリティ技術のPostiniを2007年6月に買収。この技術を使い、Gmailビジネスユーザーに注視してスパムメールブロック等を行った。
買収額:7億ドル
フライト情報をまとめた旅行サービスのITAを買収。サーチエンジン他社競合と買収合戦に競り勝っての買収となった
買収額:7億5000万ドル
モバイル広告のAdMobを2009年11月に買収。Androidがモバイルユーザー増量に注力をそそぐ中、Googleはモバイル広告をより大きな市場にしようと奮闘している。が、買収以後、元CEOのOmar Hamoui氏を含め執行役員はその役を去っている。一部で報じられたところによると、その理由は合併後が上手くいっていないからだ、というもの。
買収額:16億5000万ドル
言わずと知れた動画共有サービスYouTubeを2009年に買収。現在では文句無しのビジネスだが、買収当時は大きなリスクを伴った決断であった。アップされた動画には著作権無視のものが多く、何十億という補償額をめぐる裁判を抱えこむことになるかもしれないと危惧された。Googleはコンテンツ内容に関して動画主と契約したり、動画削除等の処置をとりYouTubeをより巨大なものへと上手く運営していった。現在では1年間に10億ドル以上の利益を生むと評されている。
買収額:31億ドル
ディスプレイ広告技術のあったDouble Clickを2007年に買収。この買収によってGoogleはディスプレイ広告の世界へと深く関わっていく。Googleのディスプレイ広告による収益は年間25億ドルと言われているが、そのうち10億はYouTubeによるものである。本業はサーチエンジンであるため、ディスプレイ広告はGoogleにとってそこまで利益を生む物でもないが、ビジネスの大きな部分を占めているのは否めない。0からディスプレイ広告を自社で作るよりもDouble Clickを買収した方が手っ取り早く簡単であった。
今まで最高額だったDouble Clickの31億ドルの4倍近い額でのモトローラの買収。それほど巨大なビジネスがGoogleで新たに動こうとしています。Google、どこまで行く気だい。
The Business Insiderより米Gizmodoが再掲載