今回の発見のスゴイところは、これまで性別が決定するのは、体細胞で構成される生殖巣の性に依存すると考えられてきたことが大きく覆ったことにあるようです。
性別が決定するメカニズムで分かったことは以下の内容になるようですよ。
・Sxl遺伝子が、メスの始原生殖細胞のみで活性化されていること。
・Sxl遺伝子が働くことで、オス始原生殖細胞が性転換しメスとなり、卵を作る能力が備わること。
・Sxl遺伝子で性転換したオス始原生殖細胞から作られた卵は正常に精子と受精し、次世代を生み出すことができること。
→Sxl遺伝子から始原生殖細胞のオスからメスへの完全な性転換が起きること。
つまり、Sxl遺伝子の状態を変えることで始原生殖細胞のオス、メスの性別をコントロールできる訳ですね。
この研究が進んで、いずれヒトの始原生殖細胞の性別もSxl遺伝子でコントロールできるようになる日も来るのかも知れませんね。でも、この辺りをコントロールしちゃうのって、倫理的な問題に発展したりするんじゃないかなとも思うので...そういう日が来ることがいいのか悪いのか、ちょっと複雑な気持ちになってしまいます。
とは言え、ショウジョウバエの始原生殖細胞の性別を決定する遺伝子の存在とその遺伝子の働きで精子や卵が作られることが分かったことで、生殖細胞の性別決定のメカニズムを知る上でも大きな一歩になるのでしょうね。今後の研究にも注目したいです!
生殖細胞の性別を決める遺伝子の発見[基礎生物学研究所]
(KENTA)
※ご指摘ありがとうございます、記事内容を一部修正しました。