そりゃお金ですから...じゃなく真面目に! 別にオスミウムだってリチウムだってルテニウムだっていいじゃないですかね? 元素は他に数多あるのに古今東西なぜ人は「金」で貨幣を作ってきたのか? -米コロンビア大学のサナット・クマール(Sanat Kumar)化学工学教授が謎に迫ります!
...と解説の前に周期表をご用意くださいね。...え、ない? 文部科学省「一家に1枚周期表」でダウンロードできますよっ。pdf直リンクはこちら→肖像あり/肖像なし
NPRラジオの教授の声と解説の要約、続きます。
まず真っ先にバッテンつけるカラムはガスです。理由は深く考えなくても分かりますよね。払った途端ドロンじゃ困りますからね、ははは。
次に抹消されるのが、反応性の高過ぎる元素38種-つまり空気に触れると腐食したり燃える元素です。金庫ウシシと開けたらボロボロに腐ってたり燃えカスになってたんじゃ洒落になりませんものね。
下2列、この首の皮1枚でぶら下がってる2段は放射性のある元素ですから、これも不適。...と、ここまでで、もう118元素から30に候補が絞り込まれちゃいましたよ? ひゅ~早かった。
教授曰く、ここから先は「希少なんだけどあんまり希少過ぎない金属」を探せば良いのだそうな。となると残るはロジウム、パラジウム、銀、プラチナ、金の貴金属5種。
銀もいいのだけど、銀は錆びます。
ロジウムとパラジウムは1880年代初期に初めて発見された元素なので、これもアウト。
プラチナ(白金)は融点が華氏3000度(1648℃)以上と異様に高いので、溶かしてコインに成型するにはかなり高度な鋳造設備が必要(プラチナの融点は1769-1772 ℃、金は1063-1064℃、銀は962℃弱)。とてもじゃないけど古代文明の技術では無理です。
で、最後に残ったのが金、というわけ。
クマール教授は、きっとまたもう一度歴史を最初からやり直したとしても、たぶんまた今ごろ金使ってると思うよ、と話してます。「地球では、どんな基準に照らしても金がツボ...それ以外の結論はまず出てきませんね」
Kyle VanHemert(原文/satomi)