完全に追い払うまで徹底攻撃!
日本はカラスの被害に悩まされるケースがとりわけ多い国なんですってね。都会ではゴミステーションを荒らしに来るカラスとの戦いがあり、田畑や果樹園、ビニールハウスなど、農業に従事する人たちや酪農業者、食品メーカーの工場、鉄道会社などなど、もし手早く着実にカラスを撃退できるならば、どんなにか助かるだろうって考えている人々は非常に多いものの、なかなか究極の解決策はないという難しい現状もあるそうですね。
しかしながら、今年の「国際フロンティア産業メッセ2010」では、いよいよ年内にも発売開始かという段階まで研究開発の進んだカラス認識撃退システム「CROWNY」の展示が行なわれていましたよ! このロボット、なんともアイディアが秀逸で、凄まじい破壊力にて世界を驚かせてくれるやもしれませんよ。ちょっとその秘密に迫ってみました~
CROWNYの研究開発を手がける神戸のシステムワットの菊池日出男代表取締役は、実は自ら世界初の無人運転システムを搭載した神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)の運行シミュレーションシステム開発に携わった経験の持ち主でもあり、システムワットでは、これまでも数々のロボット制御装置やソフトウェアシステムの製品化が進められてきたそうですよ。
今後の同社の主力商品ラインナップの一翼を担う期待もかけられるCROWNYは、カラスの視的特徴の画像処理や行動パターン解析から、まず数ある鳥獣の中でも、ただカラスのみを認識して撃退システムへと正確な現在位置情報を出力。その後、カラスの嫌がる特殊な波長の超音波、サイレン、放水、エアガンの空砲、実際に相当のダメージを与える衝撃波といった、段階を追って攻撃レベルをアップする撃退装置による駆動プロセスをリアルタイムにサポートする仕組みとなっているそうです。
皆さまもご存知のとおり、カラスは非常に賢い鳥です。似たような撃退システムが世の中に出回ったこともありますが、ただの威嚇だと、すぐに見破られて全く追い払えなくなってしまいます。でも、このシステムは最強ですよ。そして、やはりカラスは賢いので、一度ひどいダメージを受けたならば、その場所のことはしっかりと覚えていて、その後は容易には近づいて来なくなることも実証されているんです。
そう自信を持って語る菊池さんは、とりわけエアガンの威力が、誤って人間に発射されてしまったら非常に危険なレベルでもあることを教えてくれましたよ。このエアガンが、人間による操作を一切必要とせず、自動的にカラスの現在位置を認識して狙い撃ちで発射されていくわけですから、なかなかの高い完成度がCROWNYには求められているみたいです。
しかしながら、すでにほぼいつでも販売できるレベルにまで仕上がってきており、今後は太陽光パネルによる電源供給体制の採用なんかを標準セットにして市販される予定なんだとか。日本国内のみならず、世界的な需要も大きいみたいですよ~
(湯木進悟)