緊急脱出用シュート発動の乗務員スレイターさんが仮釈放、国民的ヒーローに

  • author satomi
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
緊急脱出用シュート発動の乗務員スレイターさんが仮釈放、国民的ヒーローに

ネットで人気爆発! マスコミでも話題沸騰!

あの横柄な客にぶち切れて緊急脱出用シュートで逃走したジェットブルー客室乗務員スティーブン・スレイター(Steven Slater)さんが、アメリカで一躍人間国宝扱いになってます。

深夜番組司会者ジミー・ファロンも「スティーブン・スレイターのバラード」を熱唱
♪Get Two Beers and Jump♪

あんなキレまくった人に何故?

初報ではよく分からなかったんですが、なんか飛行機がまだ動いてるのに立って荷物を降ろそうとした乗客(♀!)に着席するよう注意したのに無視され、いくら言っても聞かず、そうこうするうちわざとか否か客のバッグが頭に当たりFワード浴びせられて堪忍袋の緒がブッチ~ンという、なんともありがちな話で、同情票がドッと流れてるんですね。

機内アナウンスもゲート到着後でしたし、内容も「ファ●●オフと言ったファッ●●●アースホ●●よ、この仕事に就いて28年(本当は20年)、もううんざりだ。もう辞めてやる」と意外とシンプル。

「a*sholeじゃなくmotherf*ckerだった」という証言もありますが、いずれにせよFワード2回言い放ち、ついでに帰宅後ボーイフレンドとベッドに潜り込んでるところで逮捕...とまあ、話題に事欠かないスレイターさん@ゲイ&バツイチなのでした。

毎日嫌なこと我慢して働いてる人たちは、「いるいる、そういう客!」、「よくやった!」、「まさに誰もが夢見る脱出劇。自分は家のローンあるからできないけど...」と、ビール握って滑り台にポンして駐機場を駆けるスレイターさんに自分を重ねて、口々に感動を分け合っているんでございますね。

後になって「シュート発動前に一気飲みした」ことが分かったんですが、その頃にはもう、上のような想像図が出来上がっていました。

あんなキレまくったのは何故?

編集部が見つけたMySpaceのページを見た人からは「アルコールや薬物乱用を伺わせる記述もある」との声も上がってますが、普段から怒りっぽい人では決してなく、近所でも職場でも「良い人」という評判でした。それが何故あんなブレイクダウンを演じてしまったのか? 同居中のボーイフレンドの母親はNYポストにこう話してますよ。

「彼の母親、もう長くないんです。肺がんでね。化学療法も2回受けたんだけど、予後の経過が良くなくて。今週末もあの子たちカリフォルニアに様子見に行く予定だったんですよ」

「父親もルー・ゲーリック病で亡くしてまだ間もないっていうのに。スティーブン、重いプレッシャーに耐えてるんだと思いますよ」

これ読んだ人たちは「そうか、そういうことだったのか...」と、またまた親の死に目に働く心境を思い、涙してるのです。

広がる、応援の輪

米時間10日には釈放を求めるサイト「Free Steven Slater」が誕生し、PayPalには保釈金の募金活動も立ち上がり、Facebookのページには前代未聞の数のファンが殺到。YouTubeには応援のトリビュートのバラードが続々現れています。

渦中のスレイターさんはそんなこととは露知らず、10日午後9時半頃、保釈金2500ドルで仮釈放され、ゲート前で大勢の報道陣に取り囲まれて初めて自分がこんな国民的アイドルになってると知ったようです。

車に一緒に乗り込んだABC朝のTV番組『Good Morning America』のプロデューサー2人をひとつ先の角で追い出し、慌てた運転手に自分も降ろされ、やっと取材に応じました。

「本当に驚きました。みなさんの応援に感謝です」

仮釈放の時も逮捕の時もとびっきりの笑顔を浮かべる労働者階級の英雄、スレイター。NYクイーンズ地検は最大懲役7年の刑で起訴する運びですが、不況過労にあえぐ人たちの興奮は当分収まりそうもありませんよ~はい~。

[NYDN, TMZ, NYPost, Slate]

イラスト:Know Your Meme

Maureen O'Connor(原文/satomi)

    GIZMODO REVIEWS