だって確か21世紀になったらロボットメイドが家事を全部やってくれて、移動は空飛ぶ自動車で自動運転、電話はビデオ電話で食事はカプセルになっているはずだった気がするんですよね。
ということで今回、「できるできる」といわれ続けてまだできてないテクノロジーを一挙ご紹介。まじめなものからしょうもないものまで、色々ですよ。
では続きを読むからどうぞ。
ドーム都市
ドーム野球場はあっちこっちにできてるんですけどね。建築家のR.Buckminster Fullerさんが1960年代に考え出したのがドーム都市。雪がふる寒い地方に作るのですがドーム内は完全に温度調整ができていて、一年中ポカポカ。何がいいって雪おろししないで済むし、空気清浄機によってクリーンな空気を保ちます。当時10年以内に作れると予想されていたんですけど、実際にはまだですね。しかし新型インフルエンザが流行っている時代にはもしかしたらアリになるかも?
食事革命
未来の食事といえば、宇宙食でしょう。カプセル状になっていて、一粒で様々な栄養素がとれる忙しい現代人にはピッタリ、なんて代物。昨今のサプリメントみたいなものに近いですけど、補完的なものではなく、主食として考えられてたんだとか。また人工の藻や人工プランクトンを使って作る、さらには鯨ロボットを海で泳がせて漁をするというのも構想にあったみたいです。実際にはゼリー飲料と増えるワカメちゃんくらいかなあ、それっぽいのは。そういえば人工のポークは最近作られましたね。
フライング・カー
待ってました! 未来といえばこれでキマリの空飛ぶ自動車。空想科学モノの定番で、構想は1909年にすでにあったとか。計画だけではなく実際にプロトタイプを作り、量産化に向けて試行錯誤していたそうです。ところがその後は皆さんご存知のとおり遅々として進まず。ホンダがホンダジェットを作ろうとしているくらいで、自動車が飛行機になるにはまだまだ幾多の困難を乗り越えなければなりません。ジャンボーグ9でホンダは巨大ロボットに変形してたんですけどね。
外国語ができるようになる錠剤
ミシガン大学の科学者が1960年前半に、電気ショックを与えて、電気ショックを避けることを学習したワームを別のワームに食べさせたところ(うげえ)、その学習内容が引き継がれたそうです。そこで学習内容はRNA内に記録され、DNAと同様に遺伝的な効果を持つと考えられました。これを応用し、スペイン語ができるようになる錠剤を作ろうとしてたんだとか。ドラえもんの暗記パンみたいですね。憧れますけど、お願いだから人から作らないで欲しいところ。
核攻撃後も生き延びる方法1950年代、まだ核兵器は一般的でなく核の「平和利用」がさかんに研究されていた頃。同時に核攻撃を受けても大丈夫なチタン製シェルターが開発されていました。残念ながら平和利用とかいいつつも、結局地球上の生物を死滅させるのに十分な核兵器が広まってしまうという結果に。そういえば昔、個人用核シェルターが流行ってましたね。友達のお父さんは庭にスコップで何年もかけて穴を掘ってましたし。
人工の海
海というよりも巨大な湖なんですが、アマゾン川をせき止め核兵器(!)で巨大な穴を掘って、南アメリカ全体を海にしようという壮大な構想が1960年代にありました。この構想は実行計画一歩手前まで進んだのですが、周辺国首脳の猛反対にあって中止。フランス人科学者によるとこの巨大な人工湖ができた場合、地球の自転が遅くなっていたそうです。
海底都市
これまたお馴染みの未来、海底少年マリンの世界ですね。1960年代、深海にはまだ見ぬ油田やミネラルなど海洋資源が一杯あると着目されました。その深海開発のフロンティアとして海底都市を建設、そこを基点として海洋開発をしようと考えました。まさに海洋のゴールドラッシュ、アメリカっぽい発想です。しかも1964年にはニューヨークで第二回世界フェアが開催され、あのGMが海底住宅をスポンサードしたってんですから本気です。もちろんその駐車場にはGMの「水中自動車」が駐車しているわけですけどね。
自動運転の自動車
これさえあれば飲酒運転が撲滅できますよ。ということで需要もあるし、みんな到来を待ち遠しく思っている自動運転の歴史は古いです。1939年にニューヨークで開かれた世界フェアで、未来の高速道路で無線操縦による自動運転の自動車を走らせる展示がされています。あれから60年、サンディエゴで「smart roadway」と呼ばれる実験が行われ、GPSやセンサーによる衝突回避システムを搭載した自動運転の自動車が実際に道路を走りました。この技術については、もうすぐ登場しそうです。
ビデオ電話
電話の次はビデオ電話でしょ。と誰でも思いつくビデオ電話の歴史は古く、1920年代に実際にプロトタイプが作られ、ニューヨークとワシントンをつなぎました。作れることは分かったもののコストの問題で実現はなかなかしません。1970年代には果敢にもベルが月額90ドル(当時)でサービスを開始したものの、その後のマーケットリサーチではビデオ電話したいというニーズはなかったことがわかったそうです。まあチャット全盛のインターネット時代でも、なかなかビデオ電話しませんからねえ。
健康的なタバコ1960年代にアメリカ医学界がタバコはガンの原因になると発表してから、タバコ会社は無害なタバコを作ろうと躍起になりました。タバコ会社の科学者たちはフィルタを工夫してみたり、レタスからタバコを作ったりしたのですが徒労に終り、結局1990年代にたくさんの訴訟を抱えてタバコ産業終了のお知らせです。お疲れ様でした。
考えてみれば21世紀といえばパトレイバーでいえば工事現場でレイバーが活躍してバビロンプロジェクトをやっている頃だし、マクロスでいえば2009年はマクロスが発進する年です。ロボット技術は進んでますけど、まだガンダムは先かなあ。でも必ずその時代が来て欲しいですね。
Paul Milo(原文/野間恒毅)