もはや何かのベンチマーク映像にしか見えないB-Rでの大規模艦隊戦
昨日SF MMO『EVE Online』にて2,200人が参戦する大規模な艦隊戦が勃発し、到底ゲーム内とは思えないような凄まじい規模の戦闘と損失額が国内外で大きな話題を呼びましたが、一夜あけて同戦争の最新情報に加え、ユーザーが撮影したスクリーンショットや映像が登場しました。
「B-R5RB」などと名付けられた今回の戦闘は、昨年秋に発生した「ハロウィーン戦争」から続くプレイヤー勢力間の争いの延長線上にて発生したもので、N3連盟に所属するアライアンスPandemic Legion(以下N3/PL)がステーションの統治権を維持するための重要システムに支払いを忘れ、敵対勢力のCFCとRussian Coalition(以下CFC/RUS)がガラ空きになった同ステーションを奪取しようとしたことから始まりました。
海外サイトThe Mittaniによれば、同ステーションはN3/PLにとって戦略資源を取り引きし戦争資源を配置するための重要な拠点で、CFC/RUSにとってはこの要所を奪取することで昨年より続く戦争の状況を大きく一変させることが出来ると伝えています。
偵察隊によってシステムが起動していないことを確認したRUSは、ゲーム内時間の1時間後にステーションを掌握しようと主要艦隊を向かわせます。システムを再制御しようとしていたN3連盟のアリアンスNulli Secundaの艦を撃破した後、RUSは自身の統治ユニットをシステムに接続し始めました。
今回の戦闘の要因となったN3/PLのクルーの1人James Carl氏は、B-R5RBのシステムが敵の攻撃を受けているというメンバーからのメッセージで月曜日に叩き起こされました。月曜日は休日だったCarl氏は丸1日を宇宙艦の操作に当てましたが、他の数十人のメンバー達は仕事を休んでまでも戦闘に参加したそうです。Carl氏にインタビューを実施したFOXニュースは、戦闘に4,000人以上が参加したとも報じています。
システムの制御を試みるRUSに対しN3連盟は艦隊を覆いかぶせるような形で対抗。それに呼応しRUSは友軍やCFC勢力を呼び、戦争は一気に大規模なものへと膨れ上がりました。十数時間も続く戦闘の末、北米のタイムゾーン突入によって十分な増援がRUS/CFC勢力に集まったことがターニングポイントとなり、N3/PLは撤退を余儀なくされました。
昨日は戦闘に参加したユーザーらがゲーム内で最大級のタイタン級50艦以上が轟沈したと報告していましたが、海外ではさらに今回轟沈したタイタン級は70艦以上だとも、100艦以上とも伝えられています。タイタン級1艦の価値はおよそ3,000ドル(約30万円)とされており、単純に計算すれば30万ドル(約3,000万円)の損失が今回の戦闘で発生。資金だけでなく、タイタンは運用するまでに通常のゲームでは考えられないような数週間にわたる準備期間が必要です。
これは昨年1月、味方艦がクリックミスでワープしたことを所以に起きた「Battle of Asakai」を容易に超えており、多くのプレイヤーやメディアが10年間の『EVE Online』における史上最大の艦隊戦と伝えています。ゲーム内の仮想世界ながらも、まさに銀河の歴史にまた1ページが刻まれたようです。