ソニーグループによるKADOKAWAの買収検討は、資本業務提携という形で幕を閉じました。
KADOKAWAが1,200万株あまりを新規に発行してソニーグループがそのすべてを引き受ける形。増資前のソニーはKADOKAWAの株式を2.01%保有していましたが、9.68%まで高まって第3位の大株主となりました。
買収観測でKADOKAWAの株価は一時4,500円を上回るほど高騰しましたが、12月25日は3,126円で引けています。一連の騒動はKADOKAWAが機先を制して交渉を有利に進めた印象を受けます。
KADOKAWAは積極的に火に油を注いだ?
ロイターが、ソニーとKADOKAWAの買収協議を報じたのが11月19日。交渉成立で数週間以内に契約になるとの内容でした。
2社は2021年2月に資本業務提携を行っており、距離を縮めていました。ソニーは2021年8月に海外向けに日本のアニメを専門的に配信する「クランチロール」を買収するなど、豊富なIPを保有するKADOKAWAを傘下に収めるメリットは大いにあります。ソニーがM&Aによる成長に本腰を入れていることからも、KADOKAWAの買収は納得感のあるものでした。
更にKADOKAWAは報道があった翌日の11月20日に「一部報道機関において、ソニーグループ株式会社による当社の買収に関する一部報道がなされておりますが、当社が発表したものではございません。当社株式の取得に係る初期的意向表明を受領しておりますが、現時点で決定した事項はありません。」とのコメントを発表します。
■KADOKAWAが開示した内容
※KADOKAWA「一部報道について」より