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虐待「嬰児殺」 (単行本)

事例と歴史的考察から考える子ども虐待死

形式・仕様:
単行本 電子書籍

新生児など0歳児の虐待死について、公判傍聴などにより詳細な実情把握を行い、発生要因や防止策を検討。

著者 川﨑 二三彦 編著
ジャンル 福祉  > 子ども虐待
出版年月日 2020/01/10
ISBN 9784571420726
判型・ページ数 A5・384ページ
定価 6,600円(税込)

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0歳児虐待死について、殺人だけでなく死体遺棄、傷害致死も含め、公判傍聴などでその実情を把握・分析。江戸時代から戦前戦後にいたる「嬰児殺」事情についても考察する。
第1部 「嬰児殺」とは何か
 第1章 嬰児殺の区分
  出発点――国による初めての死亡事例検証報告(2004年)
  森から木へ――専門委員会による検証がはじまる(2005年)
  日齢0日児の発見――第6次報告(2010年)
  0日児のさらなる区分――第7次報告(2011年)
  保護者の背景にある精神疾患――第10次報告(2014年)
  0日児加害者の変化――第14次報告(2018年)
 第2章 戦前の嬰児殺
  間引きから子殺しへ
  死産率に生じた差
  生まれるとは
  貰い子殺し
  貰い子の流行
  岩の坂貰い子殺し事件
  寿産院赤ちゃん大量殺人事件
 第3章 戦前の嬰児殺(1)変遷を中心に
  植松正(1951)「嬰兒殺に關する犯罪學的研究」から見えてきたもの
  70年代の嬰児殺
  土屋真一・佐藤典子(1974)「嬰児殺に関する研究」
 第4章 戦前の嬰児殺(2)分析を中心に
  アノミー型と間引き型
  嫡出子と非嫡出子
  複数の新生児殺
  女子少年による新生児殺
  平成時代に入ってからの嬰児殺
 論考 近世日本の嬰児殺しをめぐる経験――生まれる人間の生存の権利に対する社会のまなざし
  「罪の意識」の出現
  可愛がりと子どもの人格の尊重
  家の継承者としての子ども
  教諭書と防止策のなかの子ども観・社会観

第2部 「嬰児殺」事例
 第1章 0日児の死亡
  事例1 妊娠を隠して第4子を出産した母が、遺体を先祖の墓前に埋めた事例
  事例2 経済的に未自立のまま2人目を出産した母が、家族に秘匿して死体遺棄した事例
  事例3 「合コン」で知り合った男性の子を出産直後に殺害、遺棄した事例
  事例4 生んでも育てる余裕がないとして、母が2人の嬰児を次々殺害、遺棄した事例
  事例5 出会い系サイトを利用して売春を繰り返していた母が、生まれた子どもを次々と殺害していた事例
 第2章 産後うつ
  事例6 適応障害とされた母が、子どもの泣き声にいらだって殺害した事例
  事例7 重度の産後うつ病に罹患し、自分を責め続けていた母が、泣きやまない子どもを殺害した事例
  事例8 重症うつ病エピソードに罹患していた母が、2度の自殺未遂の末に親子心中を試みた事例
 第3章 養育力不足による虐待死
  事例9 ミルクを吐いたことにいらだった父が、暴行により子どもを死亡させた事例
  事例10 初めての男児に喜び子育てを引き受けた父が、SBSによって死亡させた事例
  事例11 父が、双子のきょうだいをSBSで相次ぎ死なせたとされる事例
  事例12 母と同居女性がともに育児を放棄して生後5か月の男児を餓死させた事例

第3部 事例の考察
 児童精神科医の立場から
  はじめに/嬰児殺の背景について/予防という観点から/今後に向けて/さいごに
 産婦人科医の立場から
  はじめに/妊娠という事実に向き合う/養育者とその支援者の関係性/実父の暴力による死亡/おわりに
 弁護士の立場から
  はじめに/対象となった事例の特徴/嬰児殺を予防するためにできること/児童の死亡事例全件調査の必要性
 保健師の立場から
  0日死亡の現状と相談体制の充実/本書における0日死亡事例の分析/なぜ妊娠を秘匿するのか/妊娠・分娩に対する強い秘匿がある0日死亡への対応
 精神科医の立場から
  はじめに/新生児殺/おわりに

資料編
 報道された嬰児殺事例一覧 2012~2016年


[執筆者一覧]※肩書きは初版刊行時のものです
川﨑二三彦(かわさき・ふみひこ)
  子どもの虹情報研修センターセンター長
太田素子(おおた・もとこ)
  和光大学名誉教授
山邊沙欧里(やまべ・さおり)
  東京都スクールカウンセラー
根岸 弓(ねぎし・ゆみ)
  子どもの虹情報研修センター
相澤林太郎(あいざわ・りんたろう)
  国立武蔵野学院
金井 剛(かない・つよし)
  三重県立子ども心身発達医療センターセンター長
水主川 純(かこがわ・じゅん)
  東京女子医科大学産婦人科学講座准教授
藤田香織(ふじた・かおり)
  弁護士、藤田・戸田法律事務所
上野昌江(うえの・まさえ)
  関西医科大学看護学部教授
田口寿子(たぐち・ひさこ)
  神奈川県立精神医療センター所長

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