日本サッカー協会のエリート選手育成機関「JFAアカデミー福島」に、福井県越前市のサッカークラブ大虫FC主将の西村夢飛(むうと)さん(小学6年)と、福井市の日之出ブレッツジュニアの長谷川空我(くうが)さん(小学6年)が合格した。県勢男子の合格は7年ぶり。2人は、日本代表や海外トップリーグのピッチに立つことを夢見て新天地での成長を誓う。
福井県から2人同時に合格するのは初めて。県内合格者は4人となった。
西村さんは、小学校入学前に地元のスポーツ少年団でサッカーを始めた。4年のとき「全国大会に出たい」との思いが募り、県内の強豪大虫FCに移籍。長年、守りの要となるセンターバックだったが、今年からフォワードに転向。前線でのポストプレーに加え、自らゴールを狙う突破力やシュート力を強みとする。全国大会などで他県選手の技術の高さを痛感し「より高いレベルで挑戦したい」とアカデミー福島の受験を決めた。
長谷川さんがサッカーを始めたのは1年生のとき。現在、所属チームだけでなく、県内外のサッカースクールに通って個人技を磨いている。ポジションはサイドハーフ。高速ドリブルやカットインからのシュートが持ち味だ。「夢はイングランド・プレミアリーグで活躍すること」と既に世界を意識。英会話や食事面のサポートなどが充実しているアカデミー福島で「同じ夢を持った子たちと強度の高い練習がしたい」と受験した。
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7~8月に全国3カ所で1次選考が行われた。9月の最終選考には約40人が進み、2人は実技や学力試験などを経て、合格者18人という狭き門を突破した。
4月からは福島県広野町で寮生活が始まる。「家族と離れるのは寂しい」と本音も漏らす2人。それでも4年生以降、毎年県協会のトレセン活動で一緒にプレーした旧知の仲で、ともに互いの存在を「心強い」と話す。
「誰もが知っている有名な日本代表選手に」(西村さん)。「世界最高のリーグで活躍できる選手に」(長谷川さん)。目標に向かって大きな一歩を踏み出す。