JFAアカデミー福島に合格した西村夢飛さん(右)と長谷川空我さん=12月14日、福井県福井市フットボールセンター

 日本サッカー協会のエリート選手育成機関「JFAアカデミー福島」に、福井県越前市のサッカークラブ大虫FC主将の西村夢飛(むうと)さん(小学6年)と、福井市の日之出ブレッツジュニアの長谷川空我(くうが)さん(小学6年)が合格した。県勢男子の合格は7年ぶり。2人は、日本代表や海外トップリーグのピッチに立つことを夢見て新天地での成長を誓う。

 福井県から2人同時に合格するのは初めて。県内合格者は4人となった。

 西村さんは、小学校入学前に地元のスポーツ少年団でサッカーを始めた。4年のとき「全国大会に出たい」との思いが募り、県内の強豪大虫FCに移籍。長年、守りの要となるセンターバックだったが、今年からフォワードに転向。前線でのポストプレーに加え、自らゴールを狙う突破力やシュート力を強みとする。全国大会などで他県選手の技術の高さを痛感し「より高いレベルで挑戦したい」とアカデミー福島の受験を決めた。

 長谷川さんがサッカーを始めたのは1年生のとき。現在、所属チームだけでなく、県内外のサッカースクールに通って個人技を磨いている。ポジションはサイドハーフ。高速ドリブルやカットインからのシュートが持ち味だ。「夢はイングランド・プレミアリーグで活躍すること」と既に世界を意識。英会話や食事面のサポートなどが充実しているアカデミー福島で「同じ夢を持った子たちと強度の高い練習がしたい」と受験した。

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 7~8月に全国3カ所で1次選考が行われた。9月の最終選考には約40人が進み、2人は実技や学力試験などを経て、合格者18人という狭き門を突破した。

 4月からは福島県広野町で寮生活が始まる。「家族と離れるのは寂しい」と本音も漏らす2人。それでも4年生以降、毎年県協会のトレセン活動で一緒にプレーした旧知の仲で、ともに互いの存在を「心強い」と話す。

 「誰もが知っている有名な日本代表選手に」(西村さん)。「世界最高のリーグで活躍できる選手に」(長谷川さん)。目標に向かって大きな一歩を踏み出す。

 JFAアカデミー福島 世界基準のサッカー選手育成機関として、日本サッカー協会などが2006年に福島県広野町に男子、楢葉町に女子を開校。当初は中高6年間のプログラムだったが、男子は19年度から中学3年間に変更。全寮制で地域の公立学校に通い、放課後にアカデミーで一流のトレーニングをはじめ、語学やリーダー教育などを受ける。県勢の卒業生にはJ3大宮アルディージャの下口稚葉選手(福井市春山小出身)らがいる。

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