これまでの放送内容
2019年8月〜10月
佐渡・新潟特集
- 2019年10月13日放送
- 新潟県佐渡市
- 大崎そば
- 山里で味わうアゴ出汁の十割そば
- 「昔からのいいものを残したい」。そんな思いが根づいている佐渡島の羽茂大崎という山里には、佐渡島内でもなかなか食べることができない「本物のそば」があります。今年で43年目を迎える「大崎そばの会」の皆さんが作るのは、石臼挽きの十割そば。おいしいそばを打つには、そば粉の質(製粉)と水の配分が決め手。その日の粉の状態や湿度に応じて水加減を変える熟練のカンが必要です。一般的なそばよりやや太めの約3mmほどに切り揃え、湯がいて水でしめたら完成。大崎そばの特徴は、アゴ出汁のめんつゆをぶっかけて食べること。滑らかさの中にも十割そば特有のやや引っかかる麺にアゴ出汁が絡み、あっさりしていていくらでも食べられるおいしさです。さらに年に5回ほど催される「大崎そばの会」では、会員たちが持ち寄った田舎料理が卓上を埋め尽くします。煮しめや漬物、小芋の煮っころがしなど、調味料以外は全てお手製という料理の数々は「ふるさと」を感じさせてくれる懐かしさとやさしさに溢れています。
- 新潟県佐渡市羽茂大崎1550-2
「大崎そばの会」
川上 公紀さん
Tel:090-2301-6890
- 2019年10月6日放送
- 新潟県新潟市
- タレかつ丼
- 玉子でとじない新潟のかつ丼
- 日本各地に一風変わった「カツ丼」が存在しますが、新潟のそれは「タレかつ丼」と呼ばれています。玉子でとじず、小判型のカツをソースではなくしょうゆベースのタレにくぐらせ、ごはんに乗せただけのシンプルな料理ですが、これが実においしいんです。そもそも「タレかつ丼」の歴史は昭和初期まで遡ります。当時、新潟市中心部の西堀という場所には、風情のあるお堀がはりめぐらされていました。この堀のほとりに様々な屋台が並び、その中で玉子でとじないカツ丼を出していたのが発祥で、その後、新潟で数々のお店が「カツ丼」としてタレかつ丼を提供し始めたそうです。「タレかつ丼」は他との差異を表すための他県での呼び名で、現在でも新潟県では「カツ丼」といえばこの「タレかつ丼」のことを指すそう。
美味しさの秘密は、そのタレ。創業以来継ぎ足しで守られるその味は、しょうゆをベースに野菜を煮込んだスープを加えて作られています。さらに、そのタレとごはんとのバランスがまた良いんです。新潟県産コシヒカリのおいしさを損なわない絶妙な配分が、食欲を加速させて一気に完食させてくれます。 - 新潟県新潟市中央区沼垂東5-12-1
「とんかつ政ちゃん沼垂本店」
岩瀬 麻衣さん
Tel:025-245-2994
- 2019年9月29日放送
- 新潟県佐渡市
- イカコロッケとすり身汁
- 佐渡島の家庭料理は工夫がいっぱい
- 毎日の食卓に上る家庭料理にこそ、その地域の特色が出ます。新潟県の佐渡島沖は、対馬暖流とリマン寒流が交差するため好漁場を形成していて、中でも特産品の1つであるイカは、夏はマイカ(スルメイカ)、秋はスミイカ、冬から春にかけてはヤリイカと、四季折々のイカが水揚げされます。佐渡ではイカの身は刺身などで食し、残ったゲソやエンペラは細かく刻んで肉の代わりにコロッケに入れて楽しみます。イカに含まれる水分も相まって、食感はカニクリームコロッケのようにふわっとしています。また、衣はパン粉に麩を砕いた粉を混ぜて使っているので、コロッケの柔らかさをジャマしません。吸い物は佐渡沖で獲れるトビウオを使ったすり身汁。軽やかな食感のすり身と、アゴ(トビウオ)出汁のつゆが上品です。さらに、これらのおかずを引き立てるのが佐渡島産のごはんです。佐渡は魚沼と並ぶお米の名産地で、適度な気候や清らかな水、ミネラルを含んだ潮風など佐渡特有の環境で栽培されるお米は需要が高く、生産が追いついていないほどなんだそう。こんな家庭料理が毎日食卓に並ぶなんて、羨ましいですね。
- 新潟県佐渡市原黒300-1
「JA佐渡女性部」
本間 春美さん
Tel:0259-27-6161
- 2019年9月22日放送
- 新潟県新潟市
- 夏野菜の麹入りキーマカレー
- 麹パワーでもっと熱くなれよ!
- 皆さん、「熱さ」足りていますか?今日は新潟市の料理講師・笠原先生に、僕がもっと熱くなれるという「夏野菜の麹入りキーマカレー」の作り方を教わりながら、笠原先生の息子さんと共に調理に挑戦しました。一般的なキーマカレーと違うのは、まずヘルシーだということ。最後に添える夏野菜の素揚げはもちろんのこと、ひき肉の分量を減らすために使うのが高野豆腐。水で戻した高野豆腐をフードプロセッサーで細かくして使うのですが、大豆の甘みが加わっておいしく仕上がります。そして最大のポイントは、隠し味にしょうゆ麹を使うこと。身体に良いことはもちろん、コク出てうま味が増すんです。
そもそも笠原先生は、20代に体調を崩されたとき、自身の食生活を見直して発酵食品を多く取り入れることで元気になったんだそう。現在、料理講師として活躍されていますが、最も得意とするのが発酵食品を上手に使ったオリジナル料理なんです。出来上がったキーマカレーは健康食品にありがちな「身体に良いけど味はいまいち」なんて感想は微塵も感じさせません。むしろしょうゆ麹を使うことでこんなにコクのあるカレーに仕上がるなんて驚きです。皆さんもゼヒお試し下さい。きっと、僕のように熱くなれるはずです! - 新潟県新潟市西区松海が丘4-5-3
「Cooking school Daisy」
笠原 麻里さん
Tel:025-265-1557
- 2019年9月15日放送
- 新潟県佐渡市
- 鮎の石焼き
- こんな料理見たことない!野趣あふれる佐渡の味
- 日本全国の川で獲れる鮎ですが、料理といえば「塩焼き」「甘露煮」「鮎雑炊」が一般的。そんな中、佐渡島の羽茂地域では「鮎の石焼き」という珍しい郷土料理が存在します。これは、平たい石を2時間以上焼いた後、石の上に味噌で土手を作り、土手が崩れないように周りをナスで固めます。その中で鮎を焼いていくと次第に皮が溶ていくので、骨や頭尾を取り除き、身をほぐして肝や味噌と絡めて食べるというもの。
見た目は粗野でお世辞にも「おいしそう」とは言えませんが、一口食べるとそのおいしさに目を丸くしてしまいました。鮎の身の柔らかさに肝のほろ苦さと焼き味噌の香ばしさが見事に調和して独特の味を醸し出し、見た目に反して上品ささえ感じられます。これをおにぎりに付けて食べると更においしく、「見た目で判断してはいけない」と強く感じました。鮎獲り名人の手ほどきを受けながら投網による鮎漁にも挑戦させてもらい、大満足の1日でした。 - 新潟県佐渡市羽茂大崎
- 2019年9月8日放送
- 新潟県新潟市
- 佐渡のフレンチ
- 若いシェフの感性が光る!島の食材がオシャレに大変身
- Ryokan浦島に併設された「浜辺」という意味のフレンチ・レストラン「ラ・プラージュ」は、食材のほとんどが佐渡産という“地産地消”のお店。佐渡島出身のシェフ・須藤 良隆さんは、フランス・リヨンの三つ星レストラン『ポール・ボキューズ』で修行された新鋭の料理人です。和食のお店が多い佐渡島の中で、佐渡食材への新しいアプローチが注目を集めています。まず1品目は、佐渡の天然岩ガキをレモンとバジルのソースで仕上げたもの。隠し味のバルサミコ酢や、レモン風味の泡にあしらったディルやセルフィーユの香草もマッチして、一般的な「生ガキ」とは全く違う味わいが楽しめます。2品目は島黒豚のロティ。赤ワインと佐渡産の味噌で作られたソースが絶品です。しかもこの黒豚は自家養豚を行い、放牧でストレスがかからないように育てているそう。ジューシーで甘みが強いため、東京の3つ星レストランでも支持されているそうです。添えられた野菜もまた格別で、一口食べたら思わず「あ、うまい!」と唸ってしまいました。フランスでは遠方から1日、2日かけてでも良いレストランを訪ねる習慣があります。そういう存在のお店にしたい、とシェフは熱く語ってくれました。
- 新潟県佐渡市窪田978-3
「La plage」
須藤 良隆さん
Tel:0259-57-3751
- 2019年9月1日放送
- 新潟県新潟市
- くじら汁
- 新潟のスタミナ料理で暑い夏を熱く乗り切れ!
- 今回は、新潟市で料理教室の講師などをされている若木先生に、郷土料理「くじら汁」の作り方を教えて頂きながら僕も料理にチャレンジしました。メインの食材は「塩くじら」と呼ばれる、くじらの皮つきの脂身の塩漬け。DHA を豊富に含んでいて、くじら特有の遊離アミノ酸「バレニン」は疲労回復に良いとも言われていて、新潟では夏のスタミナ食として昔から親しまれてきました。ただ、この塩くじらの難点がやや臭みがあり、味のクセが強いこと。そこで小麦粉を揉み込んで洗い落とし、熱湯にさっと通すことで臭みが取れて食べやすくなるんだそうです。煮干しで取っただし汁を鍋に入れ、じゃがいも、なす、玉ねぎ、ごぼうを入れて煮立て、火が通るまで中火で10分程煮た後、塩くじらを投入。味噌で味付けして完成です。さらに、爽やかさが増して一層食べやすくなるように、刻んだミョウガや大葉を乗せるのが若木流。昔ながらの「郷土料理」とは一味違うオシャレな出来栄えです。塩くじらを一口食べると、臭みは全然感じません。味の濃さが際立って、野菜や汁との相性もバツグン!いくらでも食べられそうです。
- 新潟県新潟市西区松海が丘4-5-3
「Cooking school Daisy」
若木 ふよ子さん
Tel:025-265-1557
- 2019年8月25日放送
- 新潟県佐渡市
- あらめ巻きといごねり
- 佐渡島では海藻がソウルフード
- 起伏の激しい海岸線と豊かな森から流れ出るミネラル、そして日本海の荒波が滋味に富む海藻類を育てるため、佐渡島では海藻がソウルフードとして一般家庭に定着しています。その代表格が「あらめ巻き」と「いごねり」。「あらめ」はコリコリとした食感とほのかなうま味が魅力の昆布の仲間で、浅い海に根をはって育ちます。そのあらめでサバ缶を巻いて煮詰め、しょうゆ等で味付けしたのがあらめ巻き。行事のときには必ず食卓に上るそうで、島外から帰ってきたお子さんは「母ちゃんのあらめ巻き食べると島に帰ってきた気がするわ」と言うように母の味でもあります。「いごねり」はいご草(えご草)を熱を加えて溶かし、板状に固めた後、ところてんのように細く切ったもの。一般的にはネギや生姜などの薬味をまぶし、しょうゆをかけて食べます。つるっとしていて暑い夏には最高です。ゴマで和えたりクルミで和えたり様々なバリエーションで楽しまれますが、若者にはしょうゆとマヨネーズが人気なんだそうです。僕も試してみましたが・・・好きでした。僕の味覚は、若いということです。
- 新潟県佐渡市原黒300-1
「JA佐渡女性部」
金津 和子さん
Tel:0259-27-6161
- 2019年8月18日放送
- 新潟県佐渡市
- たらい舟とサザエ
- 佐渡名物たらい舟で獲るサザエはコリコリ・プリプリ
- 印象的な赤い橋が架かる佐渡の矢島・経島周辺は無数の岩礁と小さな入り江が連なり、サザエなどの貝類が豊富な漁場です。その特徴的な地形から一般的な漁船は漁に適さず、小回りと安定性を求めて味噌樽を改良した「たらい舟」で漁が行われています。今回は僕もたらい舟に乗せていただき、漁で獲れた活きの良いサザエをいただきました。サザエの刺身は、磯の香りとコリコリの食感が最大の魅力。歯を押し返すほどの弾力で、噛むほどに口の中に甘みが広がります。続いて、囲炉裏でじっくり焼いたサザエのつぼ焼き。火を通すことでプリプリになる食感と肝の苦み、焼けたしょうゆの香ばしい香りが三位一体のハーモニーを作り上げます。たらい舟に乗って漁を見せていただいた後に食べるサザエは格別です。
- 新潟県佐渡市小木127
「網元の宿 又七」
榎谷 香代子さん
Tel:0259-86-3029