技術講座:無線環境下における測定項目
無線環境化における電波強度や品質の目安について
近年の携帯電話の無線ネットワークシステムにおいては、端末や基地局の情報を収集することにより、安定的な通信品質の管理や障害時における調査のために、サービスエリアの評価が行われます。 このため、サービスエリアを評価するために専用の測定器や端末などを用いて、電波の強度や品質を測定します。このとき RSSI,RSRP,RSRQ,SINRが主要測定項目となり,LTEの物理層を評価するためのKPIとして用いられます。以下に各測定項目の定義と一般的な電波強度・品質の目安を示します。
測定 項目 |
RSSI | RSRP | RSRQ | SINR |
---|---|---|---|---|
測定名 | Received Signal Strength Indicator 電波の受信信号強度 |
Reference Signal Received Power 基準信号受信電力 |
Reference Signal Received Quality 基準信号受信品質 |
Signal to Inter- ference plus Noise Ratio 信号対干渉雑音比 |
定義 | アンテナで受信している信号の強度を数値化したもの | 電波強度(いわゆるアンテナの本数)をdBmという単位で数値化したもの | 電波の受信品質を数値化したもの | 信号とノイズ+干渉の比 |
アクセスポイント(基地局)またはルータからの信号(システム帯域全体)の電力を測定した値 | 線区間のトラフィックに関係なく、端末と基地局の位置関係で決まる基準信号の受信電力値 | RSSIとRSRPから計算される、受信した基準信号の品質を示す指標 | 受信信号のうち、所望信号の電力と所望信号以外(他セル/他セクタからの干渉波および熱雑音)の電力比であり、品質の指標 | |
総電力値とトラフィックの影響 | 基地局の設置条件やエリアの障害物などに影響 | 基地局の混雑具合とノイズや干渉具合の目安 | 所望信号の干渉や雑音の影響 | |
単位 | dBm(デシベルミリワット) | dBm(デシベルミリワット) | dB(デシベル) | dB(デシベル) |
測定値目安 | -30dBm:非常に強い -67dBm:とても強い ~-70dBm:強い -80dBm:弱い -90dBm~:使えない(NG) 0に近いほど電波が強いが、電波の品質はRSSIだけでなく、ノイズも影響する。 |
-44dBm:非常に強い -90dBm:とても強い ~-100dBm:強い -120dBm:とても弱い -140dBm~:使えない(NG) |
-3~-5dB:非常に良い -6~-8dB:とても良い ~-10dB:良い -13dB~:悪い -19.5dB~:非常に悪い(NG) |
~20dB:非常に良い ~10dB:とても良い 0~:非常に悪い(NG) |
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