時の化石

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【ジャズ スタンダード ノート】 ザ・ニアネス・オブ・ユー The Nearness of You

どうもShinShaです。久しぶりにジャズ・スタンダードの記事です。今回は1938年に作曲された有名なスタンダードナンバー、「ザ・ニアネス・オブ・ユー」。「あなたのそばに」という邦題もついています。

ロマンチックで美しいメロディの曲です。このスタンダードはホーギー・カーマイケルの作品です。いつものように素敵な演奏を6曲選曲しました。ぜひ聴いてみてください。

「ザ・ニアネス・オブ・ユー」 The Nearness of You

楽曲について

この曲は1938年にホーギー・カーマイケルが作曲し、ネッド・ワシントンが歌詞をつけました。元々は、制作されなかったパラマウント映画『Romance In The Rough』のために書かれたもので、スタジオの出版部門であるフェイマス・ミュージックが1940年に出版しました。

「ザ・ニアネス・オブ・ユー」 は1940年にグレン・ミラー楽団による演奏で大ヒットしました。ホーギー・カーマイケルはすごい作曲家ですね。ほかにも多くのヒット曲を書きました。

彼が書いた「ザ・ニアネス・オブ・ユー」「スターダスト」「我が心のジョージア」は、約90年が経った今でも演奏される超スタンダードです。カーマイケルは若い時から気ままな暮らしをしていたそうです。名プレイヤーより、ヒット曲を書いた作曲家の方が収入が多いのでしょう。

ロマンチックで美しいメロディの曲です。多くの歌手がこの曲を歌っています。Apple Musicを調べると、弘田三枝子、ロッド・スチュアート、ローリング・ストーンズなんかも歌っています(汗)僕が行くジャズクラブでも時々演奏していますね。
                                                                                                                                                                                                                                                                  

ホーギー・カーマイケル、NBC Television - eBay itemfrontback, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=28959308による

歌詞

ジャズスタンダードの歌詞によくある”男の願望系”タイプというか・・・。なんだか気恥ずかしくなってしまうような甘々な歌詞です。「狂おしいまでの夢」ってどんなのだろう。ちょっと興味を感じました。しかし、英語の歌詞はとてもメロディにあっていますね。

歌詞の翻訳にはChatGPTの力を借りました。訳詞の下のイメージも歌詞の冒頭部分からchatGPTが生成したものです。あっという間にこんな画像もできてしまう。しかも無料。

The Nearness of You
It’s not a pale moon that excites me

That thrills and delights me

Oh no,

It’s just the nearness of you

わたしを興奮させるのは淡い月じゃない
わたしをドキドキさせるのも喜ばせるのも
ああ違う
そうあなたが近くにいるから

It isn’t your sweet conversation

That brings this sensation

Oh no,
It’s just the nearness of you

わたしをこんな感覚にするのは
あなたとの甘い会話じゃない
ああ違う
そうあなたが近くにいるから

When you’re in my arms

And I feel you so close to me

All my wildest dreams

Come true

あなたが私の腕の中にいて
とても近くに感じるとき
わたしの狂おしいまでの夢がすべて叶うの

I need no soft light to enchant me

If you only grant me

The right to hold ever so tight

And to feel in the night

The nearness of you

優しい光で照らしてくれなくてもいい
ずっと強く抱きしめることを許してくれるなら
夜になっても
あなたが近くにいると感じられるなら

訳:ShinSha

Image generated by ChatGPT using DALL·E.

「ザ・ニアネス・オブ・ユー」の名唱・名演奏

ジャズ・スタンダードを聴く楽しみは、いろんなアーティストの演奏の聴き比べにある。この曲にはどんな名演があるのだろうか?今回も新旧織り交ぜて素晴らしい演奏を紹介します。

ご機嫌な「ザ・ニアネス・オブ・ユー」を聴くことができるジャズアルバム、https://www.amazon.com の画像を加工

🔳 ヘレン・メリル
ハスキーで少し憂いのあるヘレンメリルのボーカルが良いですね。バックはピアノトリオ + フルート + ギターの編成です。この曲、ビル・エバンスがピアノを弾いているのです。エバンスのピアノはやはりリリカルで存在感があります。素晴らしいチューンです。

‌ Helen Merrill “The Nearness Of You” 1958
Double Bass – Oscar Pettiford, Drums – Jo Jones, Flute – Bobby Jaspar, Guitar – George Russell, Piano – Bill Evans

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🔳 ノラ・ジョーンズ
大ヒットしたグラミー賞受賞アルバムなので、紹介しなければいけませんね。 ノラ・ジョーンズの歌はとても素敵です。しかしファンに怒られるかしれないけど、この人の歌ってどの曲聴いてもほとんど同じ印象が残ってしまう(汗)カントリーっぽいあの歌い方のせいだろうか?

Norah Jones “Come Away with Me” 2015
Vocals, Piano – Norah Jones

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🔳 ジェーン・モンハイト
ヴァース(verse)から歌っています。エモーショナルいっぱいで、とろけそうなほど甘くて美しいチューンです。ストリングスもシルキーで美しく心地よい。ああ、でも年寄りにはちょっと甘すぎるかな。

Jane Monheit “Come What May“ 2021

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"Street Couple" by Fire At Will [Photography] is licensed under CC BY-SA 2.0.

🔳 レッド・ガーランド
ニアネス・オブ・ユーはメロディが美しい曲なのでピアノトリオで聴きたいと思いました。ところがなかなか良いピアノトリオ演奏が見当たらないのです。

レッド・ガーランドといえば、マイルスと共演時代のイメージが強いのですが、こんなにも優しいタッチの演奏もできるのですね。リリカルで美しいピアノです。短いアドリブのフレーズも素晴らしい。

Red Garland “the Nearness of You” 1961
Bass – Larry Ridley, Drums – Frank Gant, Piano – Red Garland

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🔳 ブランフォード・マルサリス
ブランフォード・マルサリスのピアノレストリオによるチューンです。ピアノがないと楽曲の印象が大きく変わります。ジャズの伝統を感じるど真ん中の演奏です。ブランフォードのアドリブ、テクニックが光ります。

Branford Marsalis “Trio Jeepy” 1989
Bass – Milt Hinton, Drums – Jeff "Tain" Watts, Piano [Tuners] – Julian Joseph, Kenny Kirkland, Saxophone – Branford Marsalis

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🔳 マイケル・ブレッカー
時々思い出して聴く大好きなチューンです。ボーカルはジェームス・テイラー。温かくて味がある歌なのです。そしてバックはそうそうたるアーティストたち。

ギター: パットメセニー、ベース: チャーリー・ヘイデン、ピアノ: ハービー・ハンコック。...そうそうこれはブレッカーのアルバムでした(笑)テナーサックス: マイケル・ブレッカー。何度も聴きたくなる素晴らしいチューンです。

Michael Brecker “Nearness Of You (The Ballad Book)” 2001
Bass – Charlie Haden, Drums – Jack DeJohnette, Guitar – Pat Metheny, Piano – Herbie Hancock, Tenor Saxophone – Michael Brecker, Vocals – James Taylor

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"Michael Brecker with Pat Metheny di Monterey Jazz Festival (2000)- 2014-03-22 06-30" by User:RicadHutapea is licensed under CC BY-SA 3.0.

サブスクミュージックでジャズを聴こう

サブスクミュージックでジャズを聴きましょう。今回のスタンダードの名演、名曲はすべてApple Musicで聴くことができます。しかも音質も素晴らしい。
Apple Musicでロスレス、ハイレゾ音源のジャズ名盤を聴きましょう😊

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記事で採り上げたアルバムのamazonリンク

ザ・ニアネス・オブ・ユー

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ノラ・ジョーンズ

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Come What May

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  • アーティスト:Jane Monheit
  • Provident
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おわりに

久しぶりにジャズの記事を書きました。とても楽しかったです。今回も6曲紹介しましたが、個人的にはジェーン・モンハイト、マイケル・ブレッカーのチューンがお気に入りです。先日買ったヘッドホンで聴いていると、音楽に包まれたような幸福な気分になります。

ジャズスタンダード記事のアクセスが伸びず、ちょっと悩んでいました。最近ようやくちらほら読まれるようになってきたので記事を再開しました。30記事を目標に少しずつ書いていきたいと考えています。

今月末から11月まで、仕事、プライベートであちこち旅をします。何年も電話やメールでしか会話していなかったエンジニアたちと会うのが楽しみです。プラベートはワンコ🐕つきです。
ShinSha