外資系大企業の続々参入に、群馬県の地元企業が悲鳴を上げています。
この記事の画像(11枚)背景にあるのは、群馬県の最低賃金。10月に40円引き上げられ、時給935円になったのですが、4月に明和町にオープンした、アメリカ生まれの巨大スーパーマーケット「コストコ」では、その最低賃金を大きく上回る時給が設定されているんです。
コストコのHPによると、明和倉庫店ではパートタイムの場合、時給は1500円。平日の時間外勤務や休日勤務だと、時給は2000円を超えるといいます。
1500円を超えるコストコの時給について、群馬県内の学生からはうらやむ声が上がります。
時給約1300円で塾講師のアルバイトをしている大学生:
結構うらやましい。物価が高くなっているので、もっとお金が入らないと生活できないかなと。
時給1050円で飲食店にてアルバイトをしている専門学校生:
みんなが(コストコに働きに)行ったら、行っちゃいそう。時給高いのもあるし。
最低賃金UPに外資系参入…地元企業はピンチに
めざまし8が取材したのは群馬県内の飲食店。時給値上げの流れに乗りにくい現実に、悲痛な声が上がっています。
前橋市 居酒屋ダイニング「粋源」柳澤崇雄さん:
(賃金を高く)出せるところは出せばいいんじゃないかなと。うちは、その流れに乗っていると自分の店を維持することができなくなるので。最低賃金がこのまま上がっていっちゃうと、ちょっと厳しいかな。
中には、すでに時給の高いコストコにアルバイトが移ってしまったという店も。
明和町 グリル&ダイニング「竹卓」福田裕絵さん:
今も(スタッフのシフトは)埋まってない状態ですね。他のスタッフでカバーしている状態です。いい人材を求めてはいるんですけど、応募をかけたとしてもなかなか来ない。
より人が集まらなくなったという状況の中、追い打ちをかけるように、2024年初めには前橋市に時給1300円からのIKEAもオープン予定です。
外資系“好待遇”のワケ
群馬県内で起きている今回の事態について、めざまし8取材班は、エコノミストの永濱利廣氏に話を聞きました。
――なぜ外資系企業は地元企業より高い賃金を設定できるのか?
第一生命経済研究所首席エコノミスト 永濱利廣氏:
円安になると、海外の現地法人の稼いだお金というのが増えますよね。円安の影響を大企業は受けやすいわけです。なので賃金も上げやすい。
――好待遇の外資系企業に地元企業はどう対応していくべきか?
第一生命経済研究所 首席エコノミスト永濱利廣氏:
中小企業としては、そういった大企業に負けないような、大企業が生み出せないようなモノやサービス、付加価値のものを提供するであったりとか、できるだけ痛みを伴わない形の変化というのが求められるのかなと思います。
円安の影響がアルバイトなどの採用にも出ている厳しい状況。地元企業の存続が危ぶまれています。
(めざまし8 11月9日放送)