福島県立医科大学 研究成果情報

ドイツ雑誌「European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging」掲載(令和6年10月15日)(2024-12-05)

Novel astatine (211At)-labelled prostate-specific membrane antigen ligand with a neopentyl-glycol structure: evaluation of stability, efficacy, and safety using a prostate cancer xenograft model

ネオペンチルグリコール構造を有する新規アスタチン(211At)標識前立腺特異的膜抗原リガンドの安定性、効果、安全性の評価:前立腺がん移植モデルを用いた研究

八木沼 恵 (やぎぬま・けい)
泌尿器科学講座 助手
        
研究グループ
福島県立医科大学泌尿器科学講座 八木沼 恵
福島県立医科大学先端臨床研究センター 高橋 和弘
福島県立医科大学泌尿器科学講座 星 誠二
福島県立医科大学先端臨床研究センター 城寶 大輝
福島県立医科大学先端臨床研究センター 下山 彩希
福島県立医科大学先端臨床研究センター 長谷川 直子
福島県立医科大学保健科学部診療放射線科学科 長谷川 功紀
福島県立医科大学先端臨床研究センター 趙 松吉
福島県立医科大学先端臨床研究センター 右近 直之
福島県立医科大学泌尿器科学講座 眞壁 俊太
福島県立医科大学泌尿器科学講座 目黒 了
福島県立医科大学泌尿器科学講座 小名木 彰史
福島県立医科大学泌尿器科学講座 松岡 香菜子
福島県立医科大学泌尿器科学講座 小川 総一郎
福島県立医科大学泌尿器科学講座 植村 元秀
千葉大学薬学部 山下 知輝
千葉大学薬学部 鈴木 博元
千葉大学薬学部 上原 知也
福島県立医科大学泌尿器科学講座 小島 祥敬

概要

論文掲載雑誌:「European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging」(October 15, 2024)


本研究では、進行した前立腺がん治療において、前立腺特異的膜抗原(Prostate Specific Membrane Antigen: PSMA)を標的としたアルファ線放出核種アスタチン-211(211At)を用いた新しい放射線治療法を開発しました。従来の治療法では、PSMAに対するリガンドと結合する211Atが体内で不安定となり、211Atが遊離し正常組織へ沈着することで副作用のリスクがありました。我々が開発したネオペンチルグリコール構造(NpG)を導入することで、211Atとリガンドの生体内における安定性を大幅に向上させることに成功しました。この新しい化合物をマウスの前立腺がん移植モデルに投与した結果、がん細胞に対する高い集積性と治療効果が確認され、同時に正常臓器への影響が最小限に抑えられることがわかりました。この研究は、前立腺がん治療における211Atを用いた新しい治療法、今後ヒトを対象とした実臨床への応用を目指しています。(八木沼 恵)


連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部 泌尿器科学講座
電話:大学代表024-547-1111(代)