倫理学は、「人はどう生きるべきか」を問おうとする学問です。グローバル化の著しい進展により従来の価値観が揺らぐ現代において、誰もこの問いを避けて生きることはできません。倫理学専攻では、この問いに答えるためのさまざまな理論的枠組み(義務論や功利主義、正義論、徳倫理学、自然法論、メタ倫理学など)を学び、倫理学の一次文献を自ら読み解く技術を身につけることができます。
慶應義塾の倫理学専攻には6人の専任教員がいます。伝統的に、近現代のドイツ・フランス・イギリスの倫理思想とその歴史を専門領域とする教員が多いのですが、それ以外の領域についても多くの科目を開講し、学生の幅広い関心に対応しています。現代の社会問題を問い直す応用倫理学(生命倫理学や環境倫理学、情報倫理、ビジネス・エシックス、グローバル・エシックスなど)や、キリスト教を中心とした宗教思想、法・政治思想の研究や教育にも力を入れています。