ドライブインとは、自動車旅行者を対象として駐車場を広くとった道路沿いのお店のこと。

マイカーブームで急速に増えたものの、高速道路やコンビニなどが増え時代の変化と共に減少。

そんな中、最近では昭和の面影を残したいとドライブインの本も出版されている。

『懐かしの昭和ドライブイン』の著者・越野弘之さんは、「旅の途中に出会った二本松バイパスドライブインが本を出そうと思ったきっかけで、昭和の雰囲気がたっぷりというか、当時のまま何も変わらない姿で営業していてそこで衝撃を受けた。

まだこういう素敵な場所がいくつも残ってるんじゃないかなと調べ始めて、いろいろ行ってみるようになった。」と話す。

また、「後継者がいるところは、店としては続くものの、その代わり店自体を改築してしまってドライブインという名前を消してしまう。
古き良きドライブインの姿がどんどんどんどん失われていってしまって、古いお店なら残された時間が少ないかもしれないので、出来るだけ多く回っていきたい」と、その魅力についても話してくれた。

母心の関あつしがお邪魔したのは、越野さんの話にも出た二本松市の国道４号沿いにある二本松バイパスドライブイン。

１９７２年創業で２４時間営業の先駆けで、菅原文太さん主演の映画「トラック野郎」のロケ地にもなったといういわば長距離ドライバーの聖地。

「バイドラ」の愛称で親しまれている。

店内はどこか懐かしい昭和の空気が流れていて、畳スペースは昔ながらの定食屋のような雰囲気を残しつつ、テーブル席の方は喫茶店のようでもある。

訪れたお客さんに聞くと、「結構使っている憩いの場。なくなったら困るくらい。」

「２４時間やっているので、いつ来ても夜中出発しても、昼間でも昼ごはん食べたりとかいつでも立ち寄れるのがいいところ」

「風呂があるのはデカい」などの意見が。


そのお風呂を覗いてみると…
昔の町の銭湯に来たような懐かしい感じが漂っていた。

ちなみにこのお風呂も２４時間入れる。（入浴料は400円）

そして、ひと風呂浴びたところでドライブインの魅力、お食事タイム！

一番人気は、オープン当時から変わらずあるというバイパススタミナ定食！
なんとお客さんの９割以上が注文するという。

ホルモンと豚肉と野菜を特製の甘辛いタレで炒めていて、口の中でとろけるほど柔らかい。
お客さんからは、「週に２、３回は食べる。バイパススタミナ定食は定番」という声も。
 

ちなみに、人気第２位は煮込みホルモン定食！

やはりモツが人気だった。

創業以来４９年もの間、ドライバーたちの憩いの場として営んできた二本松バイパスドライブイン。
女将の橋本宏子さんは、去年他界した夫・正次さんの思いを背負って営業し続けていくと話してくれた。

二本松バイパスドライブイン女将　橋本宏子さん
「お客さんも待ってるしずっと走って来て、ここでしか食べないというお客さんもいるからもう少しがんばって、トラックやドライバーの方のこと考えて身体の丈夫なうちは続けたいと思っています」
 

福島県内にも残るドライブイン。
昭和の雰囲気を味わいに足を運んでみてはいかがだろうか。