ニューヨーク市立大学シティカレッジ、プリンストン大学、ニューヨーク大学などで教鞭をとっている日系三世のミチオ・カク物理学博士(Dr. Michio Kaku)。米国の太平洋沿岸部をほぼ240年おきに襲う巨大地震について、彼がこのほど『Fox News』にて米・連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)がまとめた地震の規模、津波、そして被害についての予測をもとに解説。「Xデーまでいよいよ待ったなし」と人々に注意を促した。
問題の地震は「カスケード地震」と呼ばれ、最後に起きたのは1700年とすでに300年以上が経過している。その時の震源地は太平洋岸北西部沿いのファンデフカプレートで、北アメリカプレートとの境界にひずみが蓄積したことによるプレート間地震であった。マグニチュードは8.7~9.2と推定され、津波は日本にも到達したとの記録がある。
予想される次回の巨大地震の規模は最大でマグニチュード9.2。揺れは約4分間にわたり、その15分後には大きな津波が発生するであろうという。もっとも被害が大きいのはシアトルやサンフランシスコといった沿岸の都市部で、約13,000人が命を落とし、負傷者は27,000名、100万人が家を失う可能性があると示された。
カリフォルニア州沿岸部には、サンフランシスコでたびたび大地震を引き起こしてきた約1,300kmの巨大活断層「サンアンドレアス断層」が伸びているが、「カスケード断層」にはその30倍もの活動エネルギーがすでに蓄積されている可能性があり、「問題は津波被害に遭うかもしれない約7万人の市民について、多くがそうした知識や危機感に乏しいこと。子供たちにも地震や津波について教育し、避難方法などを早急に確立させておく必要がある」とカク博士は警告している。
また興味深いところでは、博士は動物の地震予知能力を信じている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)