完売報告も多数。
いまだに「注文したのに届かないー!」という第二次出荷待ちの人もいるほどです。
秋葉原も「楽園追放」であふれていました。
この後頭部は(笑) “@ELISA_0414: 秋葉原が楽園追放であふれてる!
#楽園追放 pic.twitter.com/pq6DrC35o1”
— 水島 精二 (「楽園追放」公開中!) (@oichanmusi) 2014, 12月 9
もーびっくりするほど、あちこちで話題に。特にTwitterでの盛り上がりがすごい。
けれども、褒め言葉の中身がどうにもおかしい。
「いいケツだった」
こればっかり。
「楽園追放」大ヒット御礼 #今年の漢字
素材提供 https://t.co/MQUmfJSAj0 pic.twitter.com/y4RI1CbfEQ
— ほりさん (@twtr_horisan) 2014, 12月 12
だいたいこんなノリです。
見ていない人の中には「楽園追放っていやらしいアニメなの?」「ケツとか尻とかしか聞かないんだが」という声も。
ほんとすいません。
「楽園追放」を画像検索すると、さらにわけがわからなくなります。
あらすじ。
人間はデータ化されて、電子化された世界ディーヴァを安住の地として暮らしている時代。
ある日突然ハッキングを受け、エリート捜査官アンジェラは、リアルの地球上に降り立つことになる。
……というゴリゴリのSF映画。
別にお色気映画じゃないはずなのに、なぜなケツなのか。
●非常によくできたケツ
やたらケツが話題になっているのは、ヒロインのアンジェラ。16才くらいのボディです
中身の年齢は不明です。
彼女が歩くと、ケツがぷりっぷりする。
すべての原因はこの服装のデザインのせいだったのです。
この世界みんな、こういう露出ボーンな格好なのかと思ったら、違うのよ。
人間の世界ではみんな服を着ているので、彼女が町を歩くとみんな振り返る。
ぴったりした服装を、3DCGアニメーションで見せる。特に胸とおしりの柔らかさ。難しいですよ。
彼女の体重だったらこのくらいだろうな、という計算がしっかりされています。
「楽園追放」本編は、そこまでケツは出ません。
だけど、観たひとは、「この映画(ケツにまで)こだわってるんだぜ!」と伝えたくなる。だからケツの話題が頻繁にあがってしまうのです。
●美少女という踏み絵
劇場用のちらしを見てみましょう。
「露出度の高い服装の女の子」、「ちょっとダンディなおっさん」、「ロボット」。
この映画がやっているのは、斬新なことではない、むしろ、懐かしい。
例えばアクションシーン。
高速で動くミサイルを、カメラワークやデフォルメで表現する、通称「板野サーカス」。イデオン、マクロスなどで使われています。
映画では、実際に板野一郎をモーションアドバイザーとして呼んでいます。
アーハンと呼ばれる丸いロボットのデザイン。
昔のおもちゃのロボットみたいで、単体ではそんなにかっこよくない。
ないのに、動くと途端にかっこよくなる。球的であることを活かした俊敏な戦い方をうまく見せる。
会話パートの「静」もいい。
正直、キザったらしい会話がとても多い。
特におっさんのディンゴのセリフは、ちょっとカッコつけ過ぎです。
でも、逆に臆面もなく出してくのがハマっている。
アニメファンが見て育ってきたであろう「好きなもの」を、今の技術力を駆使し、楽しませてくれる映画。
「美少女」「ロボ」のキービジュアルは、この作品が好みにあうかどうかの踏み絵です。
だから、「どんな映画?」と聞かれるのなら、こう答えるのが一番なのです。
「ケツがいい映画だよ」
BD 『楽園追放 Expelled from Paradise』
(たまごまご)