10月12日にiPhoneやiPad用の新しいOSであるiOS5が発表されました。14日にはiPhone4Sが発売されましたが、これにももちろんiOS5が搭載されています。


iOS4から比べると200種類以上の機能が増えたiOS5。どこが便利になってどこが不便になったのか。個人的に「これは!」と思った部分をまとめてみました。

●何はなくとも通知センター

iOS5になって一番便利になったと思うのは「通知センター」です。ロック中じゃなければ、いつでも画面上から下へスライドさせるだけで通知センターが出てくるのです。ここで天気・株価といったウィジェットやカレンダーの予定表を表示させることができる他、TwitterやFacebookなど通知を利用するアプリケーションの通知をまとめて表示させることができるのです。

今までもTwitterアプリで通知に対応しているものを使っていれば、外にいるときに自分宛のMention(僕の場合だったら@mu_mu_とくるあれです)などがきたときに、ブルブル通知してそれを確認することはできましたが、一度に1つだけで、ダイアログ表示だけしかできませんでした。これだといちいち「閉じる」か「表示」を押さなくてはならないため、一度にたくさん通知がきたときはちょっと面倒だったのです。

それが通知センターでまとめて表示できるようになりました。TwitterのMentionとFacebookのコメントを同時に確認することができるのですね。表示件数は1件、5件、10件から選べます。しかも通知をバナー表示にすれば、いちいち「閉じる」を押さなくても大丈夫です。


これは外でもiPhoneでTwitterやらFacebookをたくさん使う人にお勧めです。個人的にはProwlとMacのGrowlを組み合わせて、色々なものをたくさん通知するようにしています。

●フリックが便利になった? 不便になった?

iPhone特有のフリック入力も新機能が増えました。もともとフリックはテンキーみたいな「あ」「か」「さ」……という表示で、「あ」を押しながら左にスライドさせると「い」が、上にスライドさせると「う」が、右にスライドさせると「え」が、下にスライドさせると「お」が入力できるというものです。

この入力方式は慣れると大変便利なのですが、「あああああ」とか「かかかかか」とか、ア段の文字をたくさん入力する時にちょっとだけ不便でした。携帯のように同じボタンを連続して押すと「あ」→「い」→「う」……と変化するため、連続して「あ」を入力するためには少し待って「あ」が確定されるのを待つか、一度「あ」からどちらかの方向にスライドさせ、そこで指を離さずに再び「あ」まで戻ってから指を離すというちょっと面倒な方法が必要だったのです。

ところがiOS5になってそこが変わりました。キーボードの設定の中に「フリックのみ」という項目が増えたのです。これによって、「あ」を押してすぐに指を離すと「あ」が確定されました。ようは、何度も押して「あ」→「い」→「う」と入力されるかな入力がオフになるという感じです。

でも、ちょっとこの「フリックのみ」にすると、いつものつもりでフリック入力したときに違和感があるような気がしました。友人間でも違和感があるという人が意外と多いです。
少しボタンの入力範囲が変わっているような気がしているのでした。この辺は感覚的なものかもしれないので、気にならない方もいるかもしれません。

●色々変わった? 文字入力まわり

ついでに文字入力のところもちょっと変わりました。テンキー入力のときに、文字変換候補が大きくなったのです。iOS4までは入力した文字の下に変換候補が出てきたのに対し、iOS5からはキーボードの上に変換候補が出るようになったのです。しかも大きく。

これにより、変換候補を選ぼうとして違うのを選んでしまうことがグッと減りました。ただしちょっと入力前画面が見づらいという欠点もあります。

ちなみにこの欠点が最も大きく感じられるのはFacebookアプリです。コメントを入力しようとすると、なんとこの変換候補がコメント入力欄にかぶってしまうのです。さらにコメント入力欄の横に「送信」ボタンがあるので、そのままだとコメントを送信することができません。なので、とりあえず何とか入力をしたら、英語キーボードに切り替えて変換候補欄を無くし、「送信」ボタンを押すということをしなければなりません。
早くこれは直して欲しい……

そして、正確には文字入力じゃないんですが、コピー&ペーストをするときに文字を選択すると、それが単語だったら「辞書」を選べるようにもなりました。英単語もその場で辞書が引けるので、これは結構便利です。

●カメラの起動が速く! きれいに!

カメラが素早く起動できるようになったのもiOS5での大きなポイントです。ロック画面中にホームボタンを2回押すと、ロックスライドの横にカメラマークが出てきてそこからカメラを起動できるようになりました。

今までiPhoneでカメラを撮りたいけど、パスコードを入力してロックを解除したいけれども入力が面倒でシャッターチャンスを逃がしちゃった! という経験をお持ちの方にオススメです。

それと、カメラロールからアルバムを作って写真を整理することが可能になりました。これもちょっとうれしいポイントですね。

あとこれはiOS5ではなく、iPhone4Sからなのですがカメラで撮った写真がきれいになりました。なったと思います。画素数もあがりましたし、蛍光灯の下で撮ると真ん中が青っぽくなってしまう通称青カビも特に見当たりません(これは個体差があるのかも)。擬似的な一眼レフ的に、後ろをぼやかすような写真が簡単に撮れるようになったのもうれしいところです。

●すごいぞ! リマインダー!

iOS5の新たな機能の1つ「リマインダー」。
これ、すごいです。

単なるToDoアプリかと思いきや、通知できるポイントが色々と選べました。特定の日時が来たら通知するのは普通のToDoアプリと同じなのですが、場所も選択できるのです。

場所は現在地を設定することもできますし、連絡先に入れた住所で設定することもできます。そして、そこを出発する時に通知をするのか、到着したときに通知をするのかも選べます。

なので、例えば家から出るときに忘れちゃ行けないものを通知するようにしたり、会社に着いたらこれをしようと思っていることを通知するようにしたりすることができるのです。もちろん、外出時に家に帰ったらこれをしようと思っていることをその場で入力して、通知させるとかもできるのですね。文字通り「リマインダー」なわけです。

これを応用すれば、いきつけの飲み屋に行こうとしたときに「原稿あげた?」とかの通知を出すことも……自分の首を絞めることになるのでやりません。多分。

●Safariが何気にパワーアップ

iOS5のSafariも何気にパワーアップしています。実は、iPhone用のSafariだけじゃなく、WindowsやMacのSafari5からメガネマークができたのをご存じでしょうか?

このマークはリーディングリストと言って、今Safariで見ているページを保存して、後で見られるようにするというものです。
これが、iOS5のSafariと連携するようになったのです!

iOS5のSafariでページを見ている時に、これは後でじっくり見ようと思ったら下の真ん中のボタン(□から矢印が飛びだそうとしているボタン)を押します。すると出てくるメニューの中に「リーディングリストに追加」が増えているのです。

これを選ぶと、WindowsやMacのSafariでメガネマークを押したときに、その追加したページが見られるのです。もちろん逆も可能で、WindowsやMacのSafariで見ているページをiPhoneでも見たいと思ったらメガネマークからページを追加します。iOS5のSafariでは、ブックマークに「リーディングリスト」が増えているので、そこから見ることができるというわけです。

同様のサービスも今までにありましたが、全てSafariの機能だけで実現しているのはうれしいところです。これはiCloudによるブックマークの同期で実現しているので、もししていない方はブックマークの同期をするようにしましょう。


●着信音が個別に設定できる!

iOS5にして、着信音を個別に設定できるようになりました。しかも、電話の着信、メッセージの着信とを別に設定できますし、カスタムバイブ設定によって個別に違うバイブレーションパターンを設定できるようにもなったのです。これが実に楽しいのですね。

カスタムバイブレーションは設定→一般→アクセシビリティの「聴覚サポート」で設定をできます。これをオンにした後に、個別の連絡先を編集するところから設定できるのです。


設定の仕方は一定時間に画面をタッチするというもの。これによって長短やリズムを自分で自由に設定できるというわけですね。この人はこんなイメージ? とか思いながら設定したりすると面白いです。

ちなみに連絡先のフィードでTwitterやFacebookが増えました。連絡先から「+フィールドを追加」で「Twitter」を選ぶと、そこに「@mu_mu_」のように記入できます。それを選ぶと「ツイート」(その人へのMention入力画面になります)と「ツイートを表示」が選べるのです。Facebookの場合でもメッセージを送る画面が開きます。

ちなみにiOS4まではURL欄のカスタムラベルでTwitterを使えました。Twitterラベルの使い方は入力欄に「twitter:@mu_mu_」のように設定します。そうすると、連絡先からそこをタップすると、Twitter公式アプリが起動して設定したアカウントのページが開けます。これはiOS5にまだしていない人でも、Twitterでの友人を多く登録している人にはお勧めです。

まだまだ紹介したいことは色々とあるのですが、とりあえずはこんなところで。好評だったらまた書かせていただくかもしれません。
(杉村啓)
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