こんにちは!ドッグスリング専門店ervaのきせ(@tommykise)です。
あっという間に10月も後半に。うちの愛犬デカプー達もそろそろ年内最後のトリミングに行かないといけません。ちなみに、皆さんはどんなカットにしていますか?プードルカットのデザインってかなり多いですよね。う〜ん迷います。
また、やったことはありませんがプードル
と言えばこのカット。
いわゆるプードルカットと言えば、これを思い浮かべる方が多いんじゃないかと思います。でも、何故これがいわゆるプードルカットになったのでしょうか?
また、改めて考えてみるとプードルは他の犬種に比べて色んなカットスタイルがあるのに、何故このデザインがプードルの象徴になったのか?疑問に思ったので、さっそく調べてみました!
原産国はフランス?ドイツ?
この典型的なプードルカットの由来は、プードルのルーツをたどることで分かるんじゃないかと思い、まず原産国から調べてみました。
これはすぐに分かるはずなんですが…かなりややこしく調査は難航。なぜなら、フランス派とドイツ派がいたからです。ただし、FCI(国際畜犬連盟)やJKCにはフランスと記載してありました。(参照:FCI/JKC)
別にFCIやJKCに喧嘩を売るわけじゃないんですが、プードルはフランスが原産国というには奇妙な点が1つあります。
だって、
プードルの語源ってフランスじゃないんです・・・・。
ちなみに犬種名の多くは原産国に由来して名付けられていますが、プードルにおいてはかなり意味不明です。で、肝心のプードルの語源はどこかと言うと、実はドイツ。
プードルはドイツ語でPudel(プデル)、「水中でバチャバチャと音を立てる」という意味です。そして、フランス語ではCaniche(カニシェ)と呼び、意味は、「鴨猟に使う犬」になります。
じゃあ、なんで多くの資料に
「フランス」と記載があるの!?
ドイツ生まれの犬が先祖だと記載していたり、フランス原産のバルべという犬種がプードルの先祖だと主張していたり、様々な資料を見比べましたがどれも根拠はなく…。残念ながら遺伝子研究の資料も見つけることは出来ませんでした。はっきり言って謎です。
そして、ここからはわたしの推測となりますが、
なぜFCIやJKCがフランスと記載しているかというと、
プードルは16世紀頃にフランスの上流階級の婦人達によって大人気となり、フランスにて「プードルの顔立ち、体格、毛色」などが標準化され、後にフランスの国犬となったことで、そのように記載されたのではないかと思います。
資料:poodleloverspost/
jkc
ちなみに16世紀頃のプードルの絵がありました。
少し毛の量は多いですが「ザ・プードルカット」に近いですね。
プードルの本来の役割とは?
原産国はフランスかドイツなわけですが、Pudel(プデル)もCaniche(カニシェ)もどうやら、水に関係していることがわかりました。次にプードルはどんな役割のために本来繁殖されたのかを調べてみました。
これはすぐに見つかりました!
プードルは、もっとも古いウォータードッグの一種で、飼い主が銃で打った水鳥を回収するのが主な仕事。名前の語源が水に由来する理由も分かります。また、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーも回収する仕事をしていたので、なんだか親戚みたいに感じます。
ここまでは、ふむふむ聞いたことあるな。という感じですが
しかし!
プードルは多方面で大活躍していたのです。
その写真がこちら。
ソリ引き!?あれ?プードルカットじゃない。
ぐぐ軍用犬!?
おおっ、シェパードと並んでる。
これもプードルカットじゃないな。
実は、1800年に起きたマレンゴの戦い(フランス革命の一つ)でもナポレオン率いるフランス軍で軍用犬として大活躍していたという記述がありました。
また、サーカスでも大人気でした。
あ!プードルカットになってる
プードルは元々ウォータードッグとして生まれましたが、果敢な性格、優れた知性と理解力を持つことで、軍用犬、警備犬、盲導犬にも起用されました。また、何でもすぐに覚えることからトレーニングをしやすいという利点があります。尚且つ、フレンドリーな性格や自由なカットスタイルを楽しめることでも多くの人々の心を捉えました。
プードルって多才!
資料:akc/
springerclanstandardpoodles
元祖プードルカットの意味はこれだ!
さて、やっとここまで辿りつきました。
プードルは賢く、尚且つ、おしゃれという、人間の女性で言うところのかなり才色兼備な犬種です。そのため様々な分野で大活躍していたわけです。
しかし、元はと言えばウォータードッグとして生まれたのです。
肝心の「典型的なプードルカット」の意味はここに隠されていました。
まずはこの写真をご覧ください。
これが猟犬カットとして掲載されていました。飼い主によってデザインの違いはあるようです。プードルは元々がウォータードッグなわけですから、
冷たい水にも耐える必要があるのです。
そこで!
冷たい水から身体を守るために人間が考慮した結果、頭や心臓、関節の部分に毛を残して保温出来るようにし、その他の毛は泳ぐのに邪魔にならないように刈られました。これはまさに、ウォータードッグのユニフォームと言えるでしょう。
ちなみに、今でもプードルは猟犬として活躍しております。
また時間のある方は「→動画」を御覧ください。2012年に放送されA&EのリアリティショーDuck Dynastyより1分20秒目から飼い主が撃った鳥を回収する様子を見ることが出来ます。
じゃあ、全くファッションの意味はなかったの?
元々はウォータードッグの冷水対策として考えられたカット。
しかし、プードルの毛は様々なカットスタイルを可能にする毛質です。そのため16世紀〜19世紀のヨーロッパでは貴族のステータスとなり、よりゴージャスなカットが施されファッションとしても考えられるようになりました。
「プードル=ゴージャス、お金持ち、ちょっと意地悪」みないなキャラクター像はここから来たのではないかと思われます。1988年に公開されたディズニー映画「オリバー ニューヨーク子猫ものがたり」に登場するプードルもお金持ちでちょっぴり意地悪そうなキャラクターになっております。
一般市民がお金持ちに対する僻み?がそのまま犬に転化されちゃった感じでしょうか。犬は関係ないだろ。
またプードルのカットスタイルはその役割によって異なり、軍用犬や救助犬の場合は基本的に身体全体を傷つけないよう全身の毛が均一になるようにカットされています。
なるほど、うちの愛犬達って軍用犬カットだったのか…
ちなみに、皆さんのプードルは何犬カットでしたか?
まとめ
プードルは元々ウォータードッグとして活躍しており、冷たい水から身体を守るために頭や心臓、関節部分にもこもこした毛が残されました。
またその知性が高く評価された結果、様々な分野でも大活躍。役割に合わせてカットスタイルは変わっています。
そして、時代の流れの中で、様々なカットスタイルを可能にする毛質も注目され、ファッションとしても考えられるように。後にドッグショーでも大活躍した結果、あの典型的なプードルカットが有名となり、わたしたちの間では「プードルと言えばあのカットだよね」と、広がったではないかと思います。
ちなみに、最近トイプードルが警察犬になったという本を読みました。トイと言えど、スタンダードプードルの遺伝子はしっかり受け継いでいるようです。
今回プードルにもっと興味が出たので、
次回は前のエントリーを書いた時に見つけた遺伝子研究の資料を見ながら、プードルの本能や性格ついて、我が愛犬達の行動と比較しながら勉強したいと思います。またレポート書きます!
それでは、今日も愛犬と良い1日を!