2025年3月17日

ハンガリーフォリント/円の特徴

2025年1月20日、米国で再びトランプ氏が大統領に就任しました。これまで高金利通貨の代表格と言えば、メキシコペソ/円(MXN/JPY)、トルコリラ/円(TRY/JPY)、南アランド/円(ZAR/JPY)でしたが、トランプ米大統領がメキシコなどからの製品に25%の関税を課す意向を明らかにしたことに対し、メキシコのシェインバウム大統領は「こちら側も関税を引き上げることができる」と述べ、関税措置で報復する可能性を示唆するなど、地政学リスクの高まりが懸念されています。関税の応酬となれば両国の事業が危険にさらされるとして、物価上昇や雇用にも影響がでる可能性があります。
その中で、ハンガリーのオルバーン首相とトランプ大統領は、親密な関係を築いており、オルバーン首相は2016年の米大統領選挙中から公然とトランプ大統領を支持していたこともあり、 両者の関係は非常に有効的だと考えられています。トランプ大統領は、何度もオルバーン首相を肯定的な例として挙げています。
ハンガリーの政策金利は6.50%(2025年3月3日現在)と他の高金利通貨の国と比較しても、非常に高い水準となっており、スワップポイントでも期待できる通貨となっています。また、ハンガリーフォリント/円のレートは、1円を下回る水準であることから、取引証拠金もFXネオで取り扱っている通貨ペアの中でも、最も低い水準となっています。
チェココルナ/円の特徴

2022年6月以降7.00%の政策金利水準に据え置かれていましたが、2023年12月より利下げを開始しており、現在は3.75%(2025年3月3日現在)になっています。3.75%であっても、高い金利水準ではありますが、7.00%と比べるとやや物足りない印象があります。ただ、ECB、BOE、FRBにおいても高すぎる政策金利の引き下げ期間に入っており、チェコ国立銀行は先んじて利下げを行ったと考えれば、まだまだ高い水準のスワップポイントが受け取れると考えられます。
チェコ国立銀行(中央銀行)のアレシュ・ミフル総裁は、準備金としてビットコイン(BTC)を保有する可能性に言及しています。トランプ大統領がビットコインの後押しをしている現状において、準備金を多様化することを目的にビットコインの購入を検討する施策である以上、米国とは蜜月の関係性ではありませんが、切っても切り離せない関係になることが予想されます。
また、チェコ国立銀行は現在、ゴールドの保有量を増やしていくことに特化していることもあり、2028年までに全資産の約5%までゴールドを増やす計画とも言われており、ゴールド価格の上昇が強まっている中、高金利通貨としては魅力的な戦略をとっている国と言えるのではないでしょうか。
ポーランドズロチ/円の特徴

ポーランドズロチ/円の最大の特徴は、欧州通貨、東欧通貨との相関性の高さが挙げられます。ハンガリーフォリント/円とは相関性が0.907、チェココルナ/円とは0.887、 ユーロ円とは0.904の相関係数になっており、欧州通貨、東欧通貨とは90%近く同じような動きになることが示唆されています。(2025年3月3日現在)
取引方法の例としては、GMOクリック証券は両建ては推奨していませんが、90%近く同じ動きになることを考えると、EURJPYでロングポジション(買いポジション)で保有し、PLNJPYでショートポジション(売りポジション)を保有すれば、売買損益は期待できないですが、細かくスワップポイントを獲得できる可能性があります。
相関マトリックス
2025年3月3日現在
銘柄 | ハンガリー フォリント/円 |
チェコ コルナ/円 |
ポーランド ズロチ/円 |
ユーロ/円 |
---|---|---|---|---|
ハンガリー フォリント/円 |
1.000 | 0.891 | 0.907 | 0.886 |
チェコ コルナ/円 |
0.891 | 1.000 | 0.887 | 0.944 |
ポーランド ズロチ/円 |
0.907 | 0.887 | 1.000 | 0.904 |
ユーロ/円 | 0.886 | 0.944 | 0.904 | 1.000 |