Full Digital Sound ショップ訪問④ LEROY(ルロワ)編
愛知県岡崎市のカーオーディオ・プロショップ「LEROY(ルロワ)」がオープン10周年祭(7月1日~8月14日)に合わせ、新たに制作したFull Digital Sound システム搭載デモカー、トヨタ新型プリウスをカーオーディオジャーナリスト石田功氏が取材しました。石田氏をして、「Full Digital Sound のポテンシャルを限りなく、フルに近いほど引き出した」と言わしめた、その音とは?
素晴らしい音場感。楽器等の形が見えるように、音像の輪郭がはっきりとしている。
今年の7月でオープンから10周年を迎えた、愛知県岡崎市のカーオーディオ・プロショップ、LEROY(ルロワ)。派手なカスタム・インストールやドレスアップのイメージが強いお店だが、なかなかどうして。サウンドチューニングのセンスも良く、サウンドクオリティの定評も高い。そんなルロワが、10周年祭にあわせてClarion Full Digital Sound システムを搭載したデモカーを制作し、試聴会を行うというのでさっそく出かけてきた。
センスの良い造形でピラーに埋め込んだツィーター
デモカーはトヨタ 新型プリウス。サウンドプロセッサー+ツィーター+コマンダー・Z3、17cmフルデジタルスピーカー・Z7、25cmサブウーファー・Z25WのFull Digital Sound・オールラインナップを組み込んだシステムだ。Z3のプロセッサー部にはアナログのライン入力もあるので、ここにナビからのライン出力を接続している。もちろんUSBやデジタル入力を使って、音源からスピーカーで再生するまで、フルデジタルの信号伝送も可能だ。
スピーカー周囲のイルミはドア開閉に連動して点灯
ツィーターとドアスピーカーは、ドアの開閉と連動して、イルミネーションがオン/オフする仕組み。このあたりの演出は、さすがカスタム・インストールを得意とするルロワらしい。Z3のコマンダーは、オーバーヘッド・コンソールへ。ナビのボリュームが、ステアリングリモコンと連動しているので、ナビをセンターユニットにしている普段は、こちらを操作することはないが、ソースをiPhoneなどに切り替える時などに使用する。
サブウーファーはラゲッジルームのフロア下に
サブウーファーはラゲッジルームのフロア下にエンクロージャーを作り込みインストール。表面にカバーを付ければ上に荷物を置くこともでき、実用性をまったく損なわない作りがいい。しかし、これでは推奨エンクロージャー容量に満たないのでは?
「確かにFull Digital Soundのサブウーファーは、一般的なサブウーファーよりはエンクロージャー容量が大きめです。とくにバスレフは大きいですね。でも、Full Digital Soundのようなシステムに興味を持つ人は、実用性を無視してもカッコ良くオーディオを取り付けたいという人ではなく、クルマ本来の実用性を保ちながら、より良い音で音楽を聴きたいという人たちだと思うんですよね。だから荷物を積む空間は純正の状態とまったく変わらないようインストールしました。エンクロージャー容量は推奨よりは小さいですが、そこは取り付けの工夫と調整で。音を聴けば、まったく気にならないと思いますよ」とは、ルロワの代表、小山さん。
OHコンソールにコマンダーをインストール
さっそく、音を聴いてみたが、メーカーのデモカーを含め、これまで聴くことができたFull Digital Sound搭載車の中でも1、2を争うほどの音の良さ。あいにくその日はハイレゾプレーヤーを持っておらず、ナビでCDを再生したため、一度アナログに変換した音を再びデジタルに戻すという工程が入り、音質的にはやや不利になるのだが、そんなことはまったく感じさせない質の高い音だ。
とくに素晴らしいのは音場感だ。スピーカーがどこに取り付けられているのかをまったく感じさせず、フロントウインドウあたりの空間から音が勢い良く飛び出してくる感覚。それもそれぞれの楽器等の形が見えるように、音像の輪郭がはっきりとしていて、ぼやけることがない。Full Digital Soundのポテンシャルを限りなくフルに近いほど引き出したような音だ。
このデモカーは基本的にお店に行けば試聴できるとのことなので、興味のある方は実際に試聴することをお勧めしたい。
LEROYの代表小山さん
LEROY(ルロワ)
〒444-3174 愛知県岡崎市真伝町供養坊12-2 TEL:0564-73-9777
営業時間:10:00~19:00
定休日:毎週水曜日
石田 功
カーオーディオジャーナリスト
音響の勉強をしていた学生時代は、友人のインディーズバンドのレコーディングの手伝いなどをしていたが、その後、雑誌媒体主体の編集プロダクションに勤務。音楽好きとクルマ好きが高じて、音楽雑誌、自動車雑誌、カーオーディオメーカーのカタログ、マニュアル等の編集や製作に携わる。 90年代初頭には、編集プロダクションを辞め、フリーランスライターに。以後、自動車雑誌、カーオーディオ専門誌にカーオーディオとカーナビを中心とした記事を書き続ける。 現在、おもな執筆誌は、自動車雑誌が、CAR and DRIVERなど。カーオーディオ専門誌はオートサウンド、カーオーディオマガジンなど。Web媒体はWebCGなど。 ミュージックペンクラブ会員全国各地のカーオーディオプロショップ等で試聴イベントを随時開催しています。フルデジタルサウンドの世界をぜひお近くの会場で体感してください。 |