猪原金物店は、由緒ある島原街道に面するこの地に明治10年(1877年)に創業しました。
金物店としては九州で2番目に歴史の長い老舗というだけあり、とてもおもむきのある町屋造りの建物で、2003年には国の登録有形文化財になりました。
平成の普賢岳噴火後は、昔ながらの金物店を大改装して、お店の奥に茶房&ギャラリー「速魚川」を併設。
さらに平成10年3月、お店の横に井戸の湧水を利用した人口の小さな川「速魚川」を生み出しました。
速魚川には突き井戸(地下110メートル)から自噴する、毎分150リットルの湧き水が流れています。軟水でマイナスイオンをおびているので甘くて美味しく、あらゆるお料理にも最適で、お肌もつるつるになるという速魚川の水は自由に飲んだり持ち帰ったり出来ます。
この湧水を求めて、遠くは福岡や佐賀、長崎、諫早、大村、そして島原半島のあらゆる所から毎日多くの方がいらっしゃるそうです。速魚川にかかる小さな石橋を渡って建物の中へ入ると、坪庭を囲むように昔ながらの囲炉裏の間やテラスがあり、渡り廊下、土間など懐かしくて安らげる空間が広がっています。
茶房では、湧水と自然食材を使った美味しい料理を楽しむことができます。速魚川には養殖された日本石亀がすんでおり、平成14年8月1日から速魚川の中庭で飼育を始められました。現在、絶滅危惧種に指定されていて、天然の個体を捕獲する事は法律で禁止されています。
日本石亀を増やす事を目標にされていて、飼育に成功し、毎年十数匹の小亀が生まれているそうです。 ギャラリーでは、全国さまざまな分野の作家の方々の展示会、演奏家や歌手によるコンサートなどが開かれ、ギャラリーの歴史的な空間との絶妙な調和が好評を得ています。