2002年に公開されたデジタルアニメーション映画『TAMALA2010』の原作・監督をつとめたクリエイター・ユニット「t.o.L」の齊藤慶による「バギー・イン・ザ・ドールハウス」プロジェクトが始動。プロジェクトのはじまりを告げる、初小説作品『バギー・イン・ザ・ドールハウス』が現在発売中だ。
舞台は日本中に放たれた超小型監視カメラの映像を、人々がケータイを通して覗き見る犯罪が娯楽となった社会。物語は13歳の美少女アイドル「ミサ」の惨殺事件から幕を開ける。謎に満ちた殺人事件の鍵を握るのは、1901年にロンドンで起きた「切り裂きジャック事件」だった。
そこに広がるかわいくて残酷な愛の世界は、10代の少女たちのアンダーグラウンドな感覚が多く盛り込んでいる点が特徴的。同書の世界に存在する空虚や、次々と繋がることで解明される謎めいた事実は『TAMALA2010』の感覚と強く共鳴しながらも、「t.o.L」の新たな世界観を創りあげているといえるだろう。
なお、現在「バギー・イン・ザ・ドールハウス」プロジェクトでの展覧会やイベント企画を構想中。さっそくYouTubeでは動画予告編も公開されており、今後の続報も楽しみに待ちたいところだ。