倍賞千恵子&木村拓哉『TOKYOタクシー』第38回東京国際映画祭のセンターピース作品に決定

10月27日から11月5日に開催される第38回東京国際映画祭のセンターピース作品が、山田洋次監督の最新作『TOKYOタクシー』(11月21日公開)に決定した。このセンターピース作品は、オープニングやクロージングに並ぶ目玉として位置付けられ、映画祭の中盤を盛り上げる特別な作品とされている。
【画像】ただの送迎が“かけがえのない1日”に…映画『TOKYO タクシー』場面写真
本作は、人生の終活に向かうマダムと鬱々とした日々を送るタクシー運転手が出会い、二人の人生が大きく変わるさまを描く感動のヒューマンドラマ。タクシー運転手・宇佐美浩二(木村拓哉)は、ある日、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から葉山の高齢者施設へと送り届ける依頼を受ける。すみれが「東京の見納めに寄りたい場所がある」と願い出たことから、二人で彼女の思い出の地を巡ることに。次第に打ち解けていく中、やがて彼女の壮絶な過去が明らかになり……。この偶然の出会いから始まった“たった一日の旅”が、二人の心、そして人生を大きく動かしていく。主演の倍賞と木村に加え、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、イ・ジュニョン、笹野高史ら豪華キャストが出演する。
山田監督にとって91本目の監督作となる本作は、松竹創業130周年記念作品として製作された。また、木村が山田組に参加するのは、『武士の一分(いちぶん)』(2006)以来19年ぶりとなる。
山田監督は「今の東京を映し撮るように作った『TOKYOタクシー』を、東京国際映画祭で上映できることを嬉しく思います」とコメント。さらに「観る人の人生に寄り添い光を灯すような映画であればと願っています」と作品への思いを語っている。監督と東京国際映画祭プログラミング・ディレクター市山尚三のコメント全文は以下の通り。(加賀美光希)
山田洋次監督
今の東京を映し撮るように作った『TOKYOタクシー』を、東京国際映画祭で上映できることを嬉しく思います。偶然出会ったドライバーと乗客の心が通じ合い、人生が重なり合っていく、運命のような1日を描きました。
先の見えないこの時代に、観る人の人生に寄り添い光を灯すような映画であればと願っています。
東京国際映画祭プログラミング・ディレクター市山尚三
日本映画界を代表する巨匠・山田洋次監督の新作がかくも軽やかで瑞々しい作品となったことは大きな驚きでした。映画にはまだ多くの可能性があることを確信させてくれるこの傑作をセンターピース作品として上映できることを光栄に思います。