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笑福亭鶴瓶x原田知世、自然体だった夫婦役 『35年目のラブレター』で見た幸せのカタチ

居心地のいい夫婦を熱演!笑福亭鶴瓶&原田知世
居心地のいい夫婦を熱演!笑福亭鶴瓶&原田知世

 映画『35年目のラブレター』で主演を務めた笑福亭鶴瓶原田知世。読み書きができないまま大人になり、定年退職を機に夜間中学に通って文字を学んだ西畑保と、彼に優しく楽しく寄り添った妻の皎子(きょうこ)を演じた二人が、実話を元にしたこの映画に込めた思い、理想の夫婦像について語った。(取材・文:浅見祥子、写真:杉映貴子)

【画像】夫婦役で息ぴったり!笑福亭鶴瓶&原田知世、撮り下ろし2ショット

 本作は、ドキュメンタリー番組にもなった実話を元に、『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』『今日も嫌がらせ弁当』の塚本連平が監督・脚本を手掛けた人間ドラマ。若き日の保と皎子を重岡大毅WEST.)と上白石萌音が演じており、「自分と共に歩んでくれた感謝を込めたラブレターを書きたい」と奮闘する保を巡る人々の心の交流を、安田顕江口のりこ笹野高史ら実力派俳優の共演で活写する。

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居心地がものすごくよかった

(C) 2025「35年目のラブレター」製作委員会

Q:お互いの印象から教えてください。

笑福亭鶴瓶(以降、鶴瓶):脚本を読ませていただくと、夫婦の在り方というのをいい感じで描いてはる。それで奥さんを原田さんが演じられると知り、うまいこと選ぶなと。実際、撮影現場に行くのが楽しかったですね。いまとなっては原田さんしか考えられんくらいで。僕自身は結婚して50年ですけど、皎子さんはウチの嫁に似てる気がします。想ってくれる気持ちが。それもあって原田さんとの撮影は、居心地がものすごくよかったです。

原田知世(以降、原田):鶴瓶さんのことはずっとテレビで拝見してきたので、それは一度忘れよう、保さんと思ってその場にいようと思いました。でも、ロケをしていても撮影の合間、スタッフやエキストラの方が集まってくるんです。すると鶴瓶さんはテレビで観たまんま、ずっとおしゃべりされていて。誰に対しても分け隔てなく優しい。懐が深く、一緒にいて安心できます。初日は関西弁のセリフで不安もありましたが、一日一緒に過ごさせていただいたら、大丈夫! と思えて気持ちがラクになりました。無理して近づくために話そうとしなくてもいい。ぽつりぽつりと……って、普通そうですよね。親しい人とはあまりしゃべらず、なんとなく同じものを見て笑ったりする。そんな風に、出来るだけ自然に傍にいようと思っていました。

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鶴瓶:だから今日、会いたかったですよ。しばらく会うてなかったですからね。

原田:久しぶりですよね。

Q:撮影現場では最初から夫婦の空気感が?

鶴瓶:親しみがありましたよ。ほんまに生活しているような気持になって。

原田:鶴瓶さんは自然体の方ですが、監督が「いつもの鶴瓶さんでいてほしい」とおっしゃったのはよくわかります。あるとき食卓での撮影で、スタンバイに時間がかかっていたんです。肩越しにカメラマンの方が用意していて、鶴瓶さんはカメラに映る位置だったので動けなくて。私も横にいてずっとしゃべっていたんですけど、そしたらたぶん喉が渇いてらしたようで、前のシーンとの繋がりがあって手をつけてはいけないはずのお茶を一気飲みされて(笑)。みんな、ああ! ってなるんですけど、私を含め、その場にいた全員が、かわいい! と。

鶴瓶:子どもやな(笑)。忘れてたわ。よう覚えてますね。

原田:現場でこんなことがあった、というのをメモしていたんです。

鶴瓶:映画にもだいぶいろいろ出させてもらってるのに。アホや(笑)

原田:鶴瓶さんって、いつもつくりこんでいない感じがしますよね。それは瞬間に起こったことに反応しながらお芝居をされるから。だから境目がないんですね。ご自身に人間味があるからあんなに自然なんだなと。

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鶴瓶:いっぺん、そのメモ見して!

結婚記念日と誕生日は手紙を交換

(C) 2025「35年目のラブレター」製作委員会

Q:映画では、お二人の若いころを演じた重岡大毅さん、上白石萌音さんと、四人揃うシーンがありました。

鶴瓶:あれいいシーンやね。

原田:台本には書かれていなくて撮影期間の終盤、監督が新たに差し込まれたシーンでした。読んだときに、素敵! と。それで撮影でも、鶴瓶さんがひとりでベンチに座る背中を見てちょっと泣けました。

鶴瓶:若いときを演じた二人、抜群やったね。

原田:萌音ちゃんとは音楽番組で一緒になったことがあって、妹の萌歌ちゃんも俳優と音楽をされてますよね。私にも姉がいて、九州出身で、とても親近感を持っていました。それでいて俳優としての技術には素晴らしいものがあるんだけれども、初々しさと素朴さがある、あの感じが魅力的。ご一緒するのを楽しみにしていました。

鶴瓶:関西弁もいいし、力強い感じがすごいよかった。重岡もよかったし、二人の相性もピッタリやったな。

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(C) 2025「35年目のラブレター」製作委員会

Q:手紙で感謝の気持ちを表したい人はいますか?

鶴瓶:やっぱり嫁ですね。僕、地元が(兵庫県の)西宮で、震災のとき、どうしても仕事で東京に行かなあかんかったんです。まだ余震が多く、どうなるかわからない。彼女は西宮におるので離れ離れになる、そのときに手紙を書きました。あんな怖い経験を共有できてよかったんだって。彼女の出身は四国で、僕が大阪の師匠の元で修行するときも離れていて。修行中の身で電話もそんなにできませんから、そのときに手紙を書いて以来です。いまも結婚記念日と誕生日には手紙を交換するんですけど。

原田:素敵ですね。

鶴瓶:でもいつかの結婚記念日に、先に手紙が置いてあったんですよ。自分は用意してなくて、うわっ! と思って。夜の10時頃で、そのへんのノートに書いて渡しゃええねんけど、そんな雑にやったらあかん。嫁はちゃんとしたカードに書いてくれていたから、カードを買いに行こうと思って。すると嫁が「どこ行くの?」っていうから、「いやちょっと行くねや」「何しに?」「いやいやちょっと用事があるから」って(笑)

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原田:私は母と姉に手紙を書きたいです。東京に出てきてからずっと支えてくれている二人なので。昔は仕事で海外に行くと、「今日はこんなことがあったよ」とか、よく手紙を書いたりしました。エアメールで送ったり、ファックスを使ったりして。最近はお誕生日の時くらいです。

「この人しかいない!」と思える夫婦

(C) 2025「35年目のラブレター」製作委員会

Q:皎子は辛いことがあるとタイプを打ちます。ご自身はどう乗り越えますか?

原田:一度その状況から離れ、辛いと思っていることとは関係のない家族や仲のいい人と会って、普通の会話をして笑って楽しんで、立ち止まっている自分をちょっと外へ出すようにします。最近はもう大人にもなったので(笑)、基本的にすぐには誰かに相談しません。

鶴瓶:僕は嫁に全部話します。嫁というより、おかあちゃんや(笑)。この映画の皎子と一緒です。最初に脚本を読んだときはそんなん思えへんかったけど、(原田と)一緒に演じて、映画を観たらめっちゃかぶります。結婚して50年、あっという間。仲が良い理由? 嫁が我慢してくれてるんでしょう。いまは「お昼にこの薬を飲んで」とか、こうしなさいああしなさいって、おかあちゃんやね。

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Q:65歳を過ぎて文字を学ぼうとした保のように、一念発起してやりたいことが?

鶴瓶:ストレッチ。やった方がいいって、ずっと言われてるんですよ。あとなんだろう? こういう職業だから、絶えず稽古しないと。年齢を重ねると忘れるばっかりで、ネタも覚えにくくなる。だからず~っと“入れる”作業をします。いつもひとりでしゃべってますね。

Q:鶴瓶さんは、定期的に落語の独演会を行ってますよね?

鶴瓶:それはやらないとダメなんです。継承していくものだから。僕がやらないと、弟子はやらないじゃないですか。だから元気なうちにそれを示そうと思って。

原田:大人になると、誰かに教えてもらうことが減ってしまいますよね。そこでお友達に勧められ、ゴルフを始めたんです。それからボイストレーニングも。ボイストレーニングの先生は30代前半の方で、熱心に寄り添ってくださって。子どものように質問すると、一つひとつ丁寧に返してくださる。とてもいい時間です。それでやっぱり去年と今年では違ってきます。年齢を重ねるとのびしろというのはなくなっていくのかと思ったら、増やせることもあるんだ! って。面白いです。

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Q:完成した映画の感想は?

鶴瓶:全体の空気に、昭和の映画の匂いがするんですよね。映像もそう。例えが的確かは知らんけど、『二十四の瞳』という映画が好きなんですが、あの時代の雰囲気がありました。今の時代はモノ申すものが多いねんけども、そうではない。派手ではないけど、今多くの人が忘れかけていることが描かれている、この映画はものすごく大事だなと。

原田:皎子さんを演じさせていただいて、ここまで人を愛することができるのかと思いました。どこか母のような気持で保さんを見つめ、尊敬するのと本当にかわいい人なんです。確かな芯がありながら柔らかく包みこむ愛を持つ女性で、それで保さんは情が深い人でもあって、二人の真面目でピュアな部分が共鳴し合っている。お互いに、この人しかいない! と思える夫婦です。幸せのカタチっていろいろでしょうけど、ささやかだけど尊い愛を見せてもらった気がしますね。

映画『35年目のラブレター』は3月7日(金)全国公開

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