35年目のラブレター (2025):映画短評

ハズレのない世代交代劇
泣きの芝居も笑顔の芝居もヤバい重岡大毅からの、いろいろ被る『あまろっく』の次作なのにマンネリ感がない笑福亭鶴瓶という、見た目云々以前にハズレのない世代交代劇。そんな男性陣に比べると、今回の上白石萌音はやや控えめ。クドい回想シーンや過剰なリアクションなど、ど直球すぎる演出も見られるが、あくまでも日常の積み重ねを見せていく展開に引き込まれていく。そういう意味では、どこか同年代の三原光尋監督の作風にも似た塚本連平監督作だが、どちらもキャリアを重ねたことで、ベテランを起用しての円熟味を増した演出が持ち味になったことは喜ばしいこと。スマッシュヒットも納得しかない。
この短評にはネタバレを含んでいます