苦痛に堪えながら、苦悶を飲み込みながら、ただ自由となることを渇望し続けた男がいる。彼は12年間を奴隷として過ごした。そしてその当時も、今現在に至ってなお、ただ自由であることを切に望みながら苦痛に耐える人々が数多く存在する。
そんな彼ら黒人奴隷という歴史の闇を克明に描き出した、映画『それでも夜は明ける』。本年度アカデミー賞で「作品賞」「助演女優賞」(ルピタ・ニョンゴ)に輝き、その壇上で監督のスティーブ・マックイーンは、「いま尚2,100万人の人々が奴隷生活を送っている、彼らにこの賞を捧げます」とトロフィーを掲げた。
決して能天気に観れる作品ではない。前述してその描写を「克明」と記したが、これは大仰な言葉ではなく紛れもない真実。1853年に発表された本作の主人公で実在した人物ソロモン・ノーサップの「Twelve Years a Slave」を原作に映画化されたものだ。白人社会の中で理不尽に虐げられ、背中をムチで打たれ、抗う心に目を背け、怯えながらその日を生き抜く…そんな目を伏せたくなるシーンも登場する。この重厚なテーマを扱う本作のメッセージに賛同し、ハリウッドきっての豪華な俳優陣が体当たりで役に身を投じている。
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第86回アカデミー賞「助演女優賞」ほか世界中の映画賞を総ナメにした、『それでも夜は明ける』。この重厚な感動作を作り上げたのは、『SHAME -シェイム-』で称賛を浴びたスティーヴ・マックィーン監督。
監督作はこれまでに本作を含め3本。そのどれもが世界に挑戦し続けるテーマを選んできた。そんな“恐れ知らずの映画監督”と称えられるマックィーン監督に、本作についてたっぷりと語ってもらった。
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TOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開中
配給:ギャガ
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