ハン・ヒョジュが『華麗なる遺産』(2009年)に主演したときは22歳だった。このドラマは最高視聴率47%という伝説的なメガヒットを記録し、ハン・ヒョジュは一気にナンバーワンの若手女優となった。
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その人気に注目したのが、「時代劇の巨匠」と称されたイ・ビョンフン監督だ。準備していた新作時代劇のヒロインにハン・ヒョジュを起用したいと思い、熱烈なオファーをした。
しかし、ハン・ヒョジュは不安だった。学生時代のとき韓国の歴史に興味を持てなかったからだ。現在を生きることのほうが重要と考えていたのだ。当時のことをハン・ヒョジュはこう語っている。
「今を楽しむということが学生時代の自分には大切だったのです。もちろん、歴史の時間はありましたが、詰め込み式のような授業で、とても難しく感じてしまいました」
そんなハン・ヒョジュだが、韓国で時代劇の人気が高いことも自分なりに理解していた。
「時代劇には楽しめる要素がたくさんあります。何よりも、韓国の伝統的な衣装がとても綺麗ですよね。視聴者の女性の方から『韓服の衣装が素敵で、髪に飾る装飾品も華やか。それだけでも関心が持てます』というお話を聞いたこともあります。それに時代劇は、いい人がうまくいって、悪い人がうまくいかないという(教訓的な)話が多いのです。また、毎回いろんな事件が起こりますので、次回はどうなるのかな、という期待を持たせてくれます」
学生時代とは違う結果
時代劇の魅力を自分なりに分析したハン・ヒョジュは、イ・ビョンフン監督のオファーを受け入れた。そして、2010年に『トンイ』に主演して、困難な境遇から成長していく明るいヒロインをハツラツと演じて、ドラマを大成功に導いた。
彼女は『トンイ』のプロモーションで何度も来日したとき、日本で韓国時代劇を楽しんでいる人が多くてビックリしたという。
「日本に来て初めて、たくさんの方が韓国の時代劇や歴史に関心を持っていることを知りました。みなさんがそれぞれドラマを見て、いろんな分析もしてくれます。どんな時代を背景にしていて、どんなドラマが作られているかということにすごく詳しかったです。逆に、私は女優として仕事をしているにもかかわらず知らないことが多くて恥ずかしい気持ちになりました」
そんな気持ちから、ハン・ヒョジュはますます韓国の歴史を勉強するようになったという。このように、学生時代とはまるで違う結果になったのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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