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玄里meets監督・安藤尋 日常生活で見えているその人が、必ずしも真実なわけではない

松本潤と榮倉奈々が主演を務め、青木琴美による人気コミックを映画化した『僕は妹に恋をする』。ヒットを記録した同作で監督と脚本を兼任した安藤尋監督最新作となるのが映画『夜の途中』だ。

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松本潤と榮倉奈々が主演を務め、青木琴美による人気コミックを映画化した『僕は妹に恋をする』。ヒットを記録した同作で監督と脚本を兼任した安藤尋監督最新作となるのが映画『夜の途中』だ。プロアマ問わず参加した俳優たちが映画監督と4日間かけて演技を練り上げていくワークショップの中から生まれた珠玉の短編映画のオムニバス作品「プラス1」で上映される本作で、初主演を務めた玄里が安藤監督の創作の秘密に迫る!

―不自由な役にはめることによって、逆にその人の真実性が出てくる

玄里:初めて主演させてもらった映画だったので、緊張しちゃって…。オール丸子橋ロケでの撮影が10月だったので寒かったですよね。

安藤:寒かったね、最後「ヨーイ、スタート!」て言うときは震えちゃって(笑)。

玄里:初めて監督の現場行ったときに間をとにかくとるのが印象的だったんです。もちろんリハーサルでもそうだったんですけど、通常の会話の1.5倍くらい間をとっている感覚でした。だからこれってどういう風になるんだろうなって思ったんですけど、そのときに「映画の呼吸」てあるんだなーとふと思ったんです。日常生活と映画のスクリーンの中で流れている時間って違うじゃないですか。これはそういうことか、ってそのときに納得がいって。最後の方は自分が言いたくなる間が1.5倍になってたんですけど、最初の方はあえてその間にしてたから…。

安藤:もちろん撮影をしてるときはそれを演じる人、その人自身を信頼して撮っている部分はあるんだけどね。それをある不自由な役にはめることによって、逆に出てくるその人の真実性というのもある気がするんだよね。やっぱり日常生活で見えているその人が必ずしも真実なわけではないからね。

玄里:見えている部分がその人なわけではない、それはすごくそう思います。

安藤:人って普段から演じてる部分があると思うんだよね。たとえば25年生きているなら、25年間慣れた演じ方をしているわけで。でも映画となると他人を演じることによって、その人が本来持っている部分や隠している部分が浮かび上がってくることも逆説的にあるかなーって思うんだよね。だから演じるっていうことはどこかでその人の真実を暴露させてしまうこともあるんだよね。それはやっぱり人間が普段演じている生き物だからっていうところがあるのかな。

玄里:私、お世辞じゃなくこの作品が好きなんです。撮影もすごく楽しかった! 韓国で演技学校に行ってたときに最初は発音の矯正のためにずっと独白の練習をさせられてたんですよ。だからこの作品には独白風のシーンが多くて、こういうとこで役に立つんだなと思ったし、何だか嬉しかったです。ジャングルジムの中で「あなたの知らないとこ」ってつぶやくシーンが、個人的にはすごく好きでした。

安藤:たまたまあのとき飛行機がバーって上を飛んだんだけど、その音に反応したのかフっと玄里が顔を上げるんだよね。それでその台詞を言う。映画ってやっぱりそういう偶然があるんだよ。演じるということは何か嘘をついているということだけど、演じている人間がいるという現実でもあるわけで、それが本当の現実とシンクロしたときにハッとするというか別の世界が現れてくることがある。そういうのがすごく素敵だなと思うんだ。

―どこにでもある世界と個人の対決を見てほしい

玄里:安藤監督が個人的に影響を受けた映画作品とか監督とかっているんですか?

安藤:それこそ自分が20歳とかのときにリアルタイムに観れたっていう意味でいくと、レオス・カラックスの作品なんかの影響が大きかったね。

玄里:すごいそんな感じがします! どちらかというと無声映画とかヌーヴェル・ヴァーグくらいの感じがします。すごく詩的だったり、静かだったり…。意外と抽象的なセリフが意味を持つみたいな。

安藤:僕が生まれた頃にはヌーヴェル・ヴァーグには遅すぎたけど、ヌーヴェル・ヴァーグの作品群ていうのは、ある意味一番影響を受けたかもしれない。大学に行ってすぐに映画研究会に入ってね、そのときはやっぱり早く現場に行きたいなってずっと思っていたよ。

玄里:いまでも結構映画をご覧になりますか?

安藤:がんばって週に2本くらいは観るようにしているよ。基本的には映画館で観たいからね。カラックスの『ポンヌフの恋人』が好きだったから、今回同じように橋を舞台に撮ることができてよかったよ(笑)。

玄里:今後、撮っていきたい映画のイメージなどはもう出来上がっているんですか?

安藤:何か大きな事象とかを作らなくても、我々の身近なところに世界というのはあって、そこにいる個人も変わらない。同じように世界と個人の対決があるから、そういったものが映画の中で見えてほしいなといつも思っているよ。
《シネマカフェ編集部》

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