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名古屋市長選挙、出口調査結果 各政党の支持者はどの候補に?河村市政への評価は?

2024年11月24日 20時00分 (11月24日 23時38分更新)
 中日新聞社が名古屋市長選投開票日の24日に実施した出口調査によると、前副市長の広沢一郎氏(60)=日本保守党、地域政党「減税日本」推薦=は政党支持なし層の6割近くに加え、自民党や国民民主党の支持層の約半数に浸透。主な与野党4党が相乗りした前参院議員の大塚耕平氏(65)=自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党推薦=の支持層の票を大きく取り込み、過去最多の新人7人による戦いを制した。
 広沢氏は河村たかし前市長の後継候補として出馬。一方、大塚氏は河村氏と対立する大村秀章愛知県知事の全面的な支援も受け、組織戦を展開した。
 しかし、支持政党別の投票先では、自民の48%、大塚氏の出身政党である国民の56・5%、立民の46・5%が広沢氏へ流れ、政党支持なし層の59・1%の支持も得た。大塚氏は公明の6割を固めたが、自民は42・8%、立民は44・8%、国民は37・3%、政党支持なし層は27・7%と浸透しきれなかった。
 調査では、河村市政の15年間で名古屋市はよくなったかも尋ねた。「とてもよくなった」が15・1%、「よくなった」が65・5%、「悪くなった」が12・2%、「とても悪くなった」が2・3%だった。
 「とてもよくなった」とした人の80・2%、「よくなった」とした人の60・6%が広沢氏に投票。一方、「悪くなった」「とても悪くなった」と答えた人のそれぞれ約7割が大塚氏へ。河村氏による4期15年の市政を評価するとした人ほど広沢氏に票を投じ、大塚氏は「反河村」の受け皿とはなったが、及ばなかった。
 広沢氏は80歳以上を除く各年代で大塚氏を上回った。政治団体「緑の党・東海」共同代表の尾形慶子氏(67)=共産党推薦=は共産支持層の56・4%を固めたが、届かなかった。
 投票の際に重視したことは「河村市政を継承するか」が39・9%と最多。新市長に力を入れてほしい政策は「医療や福祉の充実」が24・7%で最も高く、「経済政策」「減税政策の維持」と続いた。

 投票を終えた有権者にタブレット端末で投票先などを入力してもらった。投開票日の24日は名古屋市内48カ所の投票所で実施し、2416人が回答した。調査は、朝日新聞社、東海テレビ放送、CBCテレビ、名古屋テレビ放送、共同通信社と合同で実施した。
 
 出口調査分析のグラフは全て敬称略。各数値は合計が100%にならない場合がある。

森正・愛知学院大教授(政治学)の話

 広沢氏は政党支持なし層に確実に浸透したほか、既成政党の支持層も切り崩した。閉塞(へいそく)した社会情勢を背景にした既成政党への根強い不信感も有利に働いた。大塚氏は組織戦を展開したが、衆院選直後のタイミングでの市長選となり、推薦を受けた各政党の間には「しこり」や、「動員疲れ」もあったとみられる。広沢氏は市議会では劣勢だが、世論を味方につけて戦う政治スタイルは河村前市長と変わらないだろう。議会との関係は来年度予算の審議が試金石になる。

木田勇輔・椙山女学園大准教授(社会学)の話

 広沢氏は4期15年のトータルでは一定の支持を得ている河村前市長の後継者である点を押し出したことが、有権者に分かりやすかった。「選挙モンスター」といわれ、選挙の戦い方を熟知している前市長の全面的な指南を受けたのも大きい。大塚氏は自身が目指す市政の方向性が明確でなく、広沢氏と迷った有権者に積極的に選ばれにくかったのではないか。広沢氏は今後、「後継」という立場を超え、どのように市政を進めるか、自分の考えを市民に丁寧に伝えていく必要がある。
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