本文へ移動

元横綱・北の富士さん死去、82歳 中日スポーツでコラム『はやわざ御免』執筆、相撲愛あふれる歯に衣着せぬもの言い

2024年11月20日 22時56分

このエントリーをはてなブックマークに追加
');
 第52代横綱北の富士の竹沢勝昭(たけざわ・かつあき)さん=北海道旭川市出身=が、12日午前に治療のため入院していた東京都内の病院で死去した。82歳だった。葬儀は故人の遺志により、20日までに近親者のみで執り行われた。12月18日に八角部屋でお別れの会が開かれる予定となっている。本場所中の中日スポーツコラム『はやわざ御免』は1978年の春場所初日にスタート。

北の富士さん


95年初場所で一時退いたが、16年初場所で復帰。ご意見番として歯に衣(きぬ)着せぬもの言いは相撲への愛があふれ、時には厳しく、時には自身の起こした過去の不祥事も笑い話にしてファンを楽しませてくれた。

 「『ふるさとの 土に帰りしこのからだ 汗と涙の 味がするらん』ってのはどう? お墓に彫ってもらおうかと思ってね」
 2022年名古屋場所5日目の夜。北の富士さんからの不意の電話はいつものこと。慣れてはいたが、このときばかりは驚かされた。「ちょっと聞いてくれる?」と切り出すと、続けてこの短歌を詠み上げていった。誰が聞いても辞世の歌。私ごときが感想を語れるはずもない。
 「まだ早いですよ。こんなにお元気なんですから」と伝えるのが精いっぱいだった。そういえば辞世の歌なのに、どこか楽しそうに詠み上げていた。
 そんなところも北の富士さんらしい。人間味あふれる姿にとことん魅了されていった。1972年の夏場所は不眠症という前代未聞の診断書を出し休場した。「だってどこも悪くないんだもん。だから眠れないんですよって言ったら、医者がじゃあ不眠症ですねって」。眠れない理由はちゃんとあった。前年10月にライバルの玉の海が急死。「玉の海がいないとね…。何かが足りなくて。燃えるものがなくなっていたのかな」。まるで当時に舞い戻ったかのような、寂しそうな顔をして理由を打ち明けた。

前のページ
レスポンシブなバナー

関連キーワード

おすすめ情報

NEWS

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ 電子版