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丸岡城守った人々 漫画に 坂井市、郷土愛醸成へ発行 

2024年4月17日 05時01分 (4月17日 09時58分更新)

地元平章小児童 活用策を考える

 

丸岡城天守が見える教室で、漫画の活用方法を発表する児童たち=16日、坂井市平章小学校で

 坂井市は、国重要文化財(重文)の丸岡城を題材にした漫画「丸岡城お天守物語~天守を守った人々~」を発行した。1948(昭和23)年の福井地震による倒壊など、丸岡城天守が明治時代以降の危機を乗り越えた経緯を分かりやすく紹介している。16日は丸岡城近くの平章小学校で漫画を使った授業があり、6年生が城の歴史に理解を深め、漫画の活用策を考えた。 

漫画「丸岡城お天守物語~天守を守った人々~」

 今年は丸岡藩誕生400年の節目。子どもたちや市民に丸岡城天守の歴史を知ってもらい、文化財を守る意識や郷土愛を育んでもらおうと作成した。A5判、40ページ。明治~昭和の歴史を6章に分けて紹介している。
 1章は、明治に入って消滅の危機にあった丸岡城天守を地元の商人らが買い取り、寺として維持。その後、丸岡町公会堂として利用され「みんなのお天守」になるまでを描く。2章では34年の旧国宝指定後に天守の解体修理が必要になり、費用を捻出したこと、3章で戦時中の40~42年に解体修理が行われた様子を描いている。4~6章は、福井地震で再び倒壊した天守の再建がテーマ。市教委丸岡城国宝化推進室の北林周記室長は「戦後の厳しい状況の中、直前の解体修理の資料があったから、奇跡的に再建できた」と話す。
 漫画を用いた授業で、児童たちは城の歴史に触れ、平章地区についての学習に漫画を活用できないか考えた。「丸岡城を紹介するパンフレットに天守を守ってきた人たちのことを書く」といった活用策を考えた班の糸崎心音さん(11)は「漫画なのでストーリーが頭にすんなり入ってきた。パンフレットを作って、まずは地元の人に城を知ってほしい」と話した。
 北林室長は「危機的状況にあった丸岡城を守ってきた人の思いを知ってほしい。その歴史が丸岡城の魅力の一つ」と多くの人に歴史が知られることを願う。
 漫画は市内の小中学校やコミュニティセンター、図書館に配置し、市のホームページでも公開している。(坂本碧)

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