「簡単な仕事」と言われて飛び込んだ福祉現場　恵の一連の問題は「経営陣が金もうけしか頭になかった証拠」

　クリスマス間近の12月の週末。共用リビングの食卓に、近くの店で買ったケーキを並べた。福祉事業会社「恵（めぐみ）」が運営する愛知県内の障害者向けグループホーム。生活支援員として働く女性は「とにかく利用者さんが無事に1年を過ごせてよかった」と話す。

　1年前。恵による食材費の過大徴収や福祉サービス報酬の不正請求は既に明らかになっており、女性は先の見えない不安な年越しを過ごした。愛知県と名古屋市が恵の県内5ホームの事業所指定を取り消し、厚生労働省も全国約100カ所の指定更新を認めない「連座制」の適用を決めたのが、今年6月。女性が働くホームも、恵から事業譲渡を受けた別会社が運営を引き継ぐことが決まっている。

　「重い処分が下されてよかった」。女性はそう考えている。福祉業界未経験で恵に採用されたのは数年前。面接した役員は...