7月21日投開票の参院選比例区で当選した、自民党の山田太郎氏の得票をめぐって、集計ミスがあったことが判明した。
静岡県富士宮市での得票がゼロになっており、代わりに一文字違いの「れいわ新選組」の山本太郎代表の票に計上されていたという。
外部からの指摘を受けた富士宮市の選挙管理委員会は23日、集計ミスを認め、記者会見を開いて謝罪した。
「明らかにおかしい」
山田氏は漫画やアニメへの表現規制に反対する立場を明確に打ち出し、全国で53万9566票を得て当選した。
一方、山本氏は99万2267票を獲得するも、れいわ新選組が「特定枠」にALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の舩後靖彦氏と重度身体障害のある木村英子氏を立てた結果、自身は落選している。
「明らかに数字がおかしい」
Twitterユーザーの一人が22日夜に、静岡県選管の開票結果を画像付きで投稿すると、7000回以上リツイートされ、3000を超える「いいね」がついた。
開票結果を見ると、山田氏は県内のほかの自治体では満遍なく得票しているのに、富士宮市だけ0票となっている。
不自然な数値に対し、富士宮で投票したとする別のユーザーが、「山田太郎さんに投票しましたので0は明らかにおかしい」「両親と妹と俺の票が文字通り死票になった」と返信するなど、ミスを疑う声が広がっている。
山田票はどこへ?
それでは、山田氏に入るはずだった票はどこへ消えたのか?
最初にツイートした投稿者は「山田太郎票を山本太郎票と間違えて集計されていませんか」と推測している。
静岡県選管の資料によれば、山本氏の富士宮市での得票は1453票。お隣の富士市では1478票を獲得している。
富士宮市の人口は約13万人。一方で富士市は25万人を超えており、人口には2倍近い開きがある。にもかかわらず、得票はほぼ同数なのだ。
一文字違いということもあり…
「山田」「山本」票の取り違えはあったのだろうか。
BuzzFeedが23日午前に静岡県選管に取り合わせると、「同様の照会を複数いただいており、現在確認中です。山本太郎氏の票も含めて調べています」と回答した。
ミスがあれば、全国の開票結果にも影響が出ることになる。「事象の発生と確認中であることは、総務省にも報告しています」(静岡県選管)
富士宮市選管も「その件については把握しており、確認中です。名前が一文字違いということもあり、集計でミスが発生した可能性もゼロではないと思います」としていた。
UPDATE
その後の取材で、富士宮市選管は山田氏の票が山本氏に誤って計上される集計ミスがあったことを認めた。午後3時から記者会見して詳細を明らかにするという。
UPDATE
富士宮市選管は、山田氏の得票を当初の0票から515票に、山本氏の得票を1453票から938票に訂正した。山田氏の投票用紙の束に、あやまって山本氏の点検表をつけてしまったことが集計ミスの原因だという。