死にたい。自殺を考える人たちが知ってほしいこと。
「死にたい」は、特別な感情ではない。
自殺を考えるなんて、よっぽどのことがあったんだろうって思いますか? 実は、死にたいと思ってしまうのは、珍しくも特別でもない、誰にでも起きる可能性のあること。
行動には移さないけれど、もし死んだら…。死ぬならどうやって死のう…。そんなことを考えてしまうことがあるのです。ただ、口にだして言うことがないだけ。じゃあ、口にだして話してみよう!
1. 「自殺を考える=死にたい」ではない。
自殺したいは、単純に死にたいではなく、もっと複雑な気持ちから生まれます。
未来へ希望が持てない。死ぬ以外で現状を変える手段が思いつかない。思考が無謀で自滅的な方向に向かっているのです。
2. 自殺を考える人みんなが、実行するわけではない。
自殺を考える人みんなが、死にたいと思っているわけではありません。
ただ、生きたいと強く思っていない、または生きていたくないと感じています。
死にたいと生きていたくないは、ちょっと違う。
3. 見ているだけでは、自殺願望があるとわからない。
死にたいと考えながらも、日常生活をたんたんとこなしている人はたくさんいます。
お腹すいた、疲れた、という感情と同じように、日常的な感情の1つとして、ぼんやりと死にたいと思いつつ暮らしています。
外から見ていたら、まさか死にたいと考えているとは気づかれないでしょう。
4. 日常生活を送れても、怖さや疲れはある。
日常生活できるなら大丈夫だと思いますか? それは違います。
苦しみや恐怖、助けてほしいという思いはそこにあるのです。早い段階で手を差し伸べてくれる人がいれば、最悪の事態(自殺実行)へのリスクは軽減できます。
5. 自殺願望がなくならない時は?
死にたいとという気持ちが消えず、これを抱えたまま生きている人もたくさんいます。
「いつかなくなるはず」と諦めるのではなく、その気持ちと共存する方法を考えるのも大切なこと。
本当に助けてほしい時の自分の心のサインを理解する、緊急時(死にたい気持ちが大きくなったとき)の対処法を考えてみるなど。
6. 誰にでも起こりえる。
性別、年齢、ライフスタイルを問わず、誰にでも起きる可能性があるのが自殺願望。
絶対的な理由がなくても、ふと死にたいという考えに取り憑かれてしまうことがあるのです。
7. 理由がある場合も。
誰にでも可能性があるとはいえ、もちろん直接的な理由がある場合も。
悲しみ、暴力、経済的事情、恋人との別れ、失業など、理由は人それぞれ。
8. 自殺願望は、突然やってくる。
自分の思う「自分のキャラ」に反して、自殺願望は突然、思いもしないことで起きることがあります。
予想できないだけに、死にたいという思いに憑かれる恐ろしさは相当なもの。
9. 「自殺する人は自己中心的、臆病者」という意見がツライ。
死ぬしか道はないと考えてしまう人の気持ちなんて、他人が理解できるものではありません。
自殺は自己中心的でも、臆病者でもない。これは、死にたいと思ったことがある人にしかわかりません。
10. 自殺にキッカケはない。
実際に自殺を事項する人に対して、多くの人は直接的な理由、キッカケがあったのだろうと考えます。
しかし、実際は抱えきれないほど感情が膨らんでしまった時に実行にうつすもの。感情の膨らみが読めないから、外からみると突然起きた・ある事がキッカケで起きたように思われてしまうのです。
11. 心理療法や瞑想は魔法の治療法ではない。
助けを求めるのは、命を繋ぐ上でとても重要な手段。
ただし、心理療法や瞑想を始めさえすれば、自殺願望が消えるというものではありません。
あくまでも助けであって、続けることで長い時間かけて自分の心を癒していかなければなりません。
12. 助けが必要な人に寄り添う。
自殺予防のホットラインは重要な役割を持ちますが、実際にリアルで人が寄り添ってくれることほど心強いことはありません。
悩み苦しんでいる人が身近にいたら、話を聞いてみましょう。自殺ホットラインの電話番号よりも、ずっと強い意味があるはずです。
13. 「人生、もっといいことがあるんだから!」は助けの言葉ではない。
死にたいと考える人にとって、「人生いいこともある!」という励ましは「(なのに)死にたいと思うなんておかしい」と聞こえてしまいます。
「悲しむ人がいるよ」も同じこと。励ましは、よりプレッシャーや罪悪感となり、彼らの気持ちを潰していくだけ。
14. 自殺について話すのは、自殺のリスクを高めることでも、自殺を助長するものでもない。
自殺について、死にたいという気持ちについて話すのは、簡単なことではありません。
しかし、話すことで気持ちを打ち明け、気持ちに答えを見つけるキッカケになります。
15. 死にたいという気持ちは、あなたが考えるよりも一般的な思考。
自殺願望なんて、どこかの誰か、自分の知らない人の話と考えたくなる気持ちもわかります。
でも、本当は、自分が知らないだけで、近くの誰かが抱えているかもしれない気持ち。思っているよりも、ずっと身近で、一般的な気持ちなのです。
だからこそ、もっと話すことが大切。最悪な事態を避けるためには、身近な人に打ち明けることが助けになります。
最後に、もし自殺が頭をよぎったら。全国の相談窓口は自殺総合対策推進センターにまとまっています。また、いのちと暮らしの相談ナビは、悩みや条件別に相談窓口を検索することができます。社会的包摂センターはLINEでの相談も受け付けています。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:soko / 編集:BuzzFeed Japan