やっぱり人間がいい… イギリスの高級スーパー、セルフレジをほぼ全店舗で廃止

セルフレジ

セルフレジの見直しが進んでいる。

Dominick Reuter/Insider

イギリスの高級スーパーマーケットチェーン「ブース」は、ほぼ全ての店舗でセルフレジを廃止し、人間の従業員が対応するレジと入れ替えている。

BBCによると、セルフレジを残すのは28店舗中2店舗のみだ。

セルフレジは遅い、信頼できない、冷たい感じがするとの顧客からの苦情を受けての決定だったと、ブースの最高経営責任者ナイジェル・マレー(Nigel Murray)氏はBBC Radio Lancashireに語った。

「わたしたちは人と話をするのが好きですし、顧客に人間によるサービスを提供する場所に大きく舵を切ったことを非常に誇りに思っています。人工知能(AI)よりもわたしたちは本当の知性を選びます」とマレー氏は話した。

また、ブースのセルフレジでは商品のある種の"目視確認"が必要なため、果物や野菜、焼き菓子といったバラ売りの商品を入力する際に顧客が混乱することもあるとマレー氏は明かした。

「例えば、あるリンゴと別のリンゴの違いがよく分からないというお客様もいます」

そして、アルコールを購入する際は、スタッフを呼んで年齢確認をしなければならないと同氏は説明した。

BBCによると、ブースは恐らくイギリスで初めてセルフレジを廃止するスーパーマーケットだ。ただ、イギリス国外に目を向ければ、ウォルマートやコストコなど、セルフレジの見直しを進めている小売業者は少なくない。

しかし、アメリカと異なるのはその理由だ。ウォルマートは9月、ニューメキシコ州アルバカーキにある少なくとも3つの店舗でセルフレジを廃止すると発表した。これは、万引きの増加に対する苦情が従業員と顧客の双方から上がったためだ。一方、コストコはセルフレジのレーンで従業員が買い物客に会員カードと写真の提示を求めることで、不正なカード共有を取り締まっている

ただ、アメリカ人はセルフレジ自体は好きなようだ。PlayUSAが1000人を対象に行った調査によると、回答者の約66%は人間が管理するレジよりもセルフレジがいいと答えている。一方で、セルフレジによってレジ係と客とのささやかな交流が失われることで、孤独の広がりが加速している可能性もある

Insiderはブースにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

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