有人レジのみでセルフレジのない店舗も。
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- ウォルマートは、アメリカのニューメキシコ州アルバカーキにある少なくとも3つの店舗でセルフレジを廃止する。
- 同社はセルフサービスのレジでも、従業員によるさまざまなサポートのあり方をテストしている。
- 従業員も顧客も、セルフレジへの依存が万引きの増加につながったと考えている。
ウォルマートは少なくとも3つの店舗でセルフレジを廃止し、買い物客に従業員のいるレジで会計を済ませてもらうことにした。
ニューメキシコ州アルバカーキにある2つの店舗は最近、レジを入れ替えるための改装工事を行い、もう1つの別の店舗の改装工事も10月中に完了する予定だと、ウォルマートの広報担当者ジョシュ・ヘイブンズ(Josh Havens)氏はInsiderに語った。
「わたしたちはお客様に最高のショッピング体験を提供する方法を常に検討しており、店舗内のレジエリアの調整もこれに含まれている」とヘイブンズ氏は話した。
同様のレジエリアのレイアウト変更がアメリカの他の店舗でも進んでいるかどうか、ウォルマートは明言を避けたが、セルフレジを大規模に撤去する計画はないとしている。
同社は以前、セルフレジに従業員をもっと配置して顧客をサポートし、場合によっては顧客のために全ての商品をレジ打ちすることもあると明かしていた。
レイアウト変更によって、顧客は有人レジかセルフレジを選べるように。
Walmart
2020年に発表された同社のコンセプトの1つは、従来の会計レーンを廃止し、買い物客が有人レジでフルサービスで会計をしてもらうか、セルフレジで自分で商品をスキャンし会計することを選べるチェックアウトゾーンを設けるというものだった。8月にはカナダのCTVが、オンタリオ州オタワにあるウォルマートではセルフレジ担当のスタッフを増やしていると報じていた。
3月にアルバカーキの別の店舗が閉店した際、ウォルマートは「業績不振」を理由に挙げていた。しかし、この店舗は日常的に犯罪者の標的になっていたと複数の買い物客がInsiderに語っている。警察の記録によると、2022年だけで700件以上の通報が店舗やその周辺であった。
ウォルマートは万引きに関する詳細を公表していないが、2022年には何十人という従業員や顧客がセルフレジへの依存が万引きの増加につながったとInsiderに語っていた。
コストコやベスト・バイ(Best Buy)、ロウズ(Lowe's)、トラクター・サプライ(Tractor Supply)といったセルフレジで従業員が顧客とより深く関わっている、またはセルフレジを導入していない他の企業では、在庫が"行方不明"になることは比較的少ないと報告している。
先週公表された業界調査の結果によると、万引きによる410億ドル(約6兆1300億円)以上の被害額を含め、アメリカの小売業者の棚卸減耗損は1120億ドルを超えたという。
ホーム・デポ(Home Depot)の元資産保護担当のシニアマネジャーで、現在はセキュリティー技術会社LiveView Technologiesの紛失防止の専門家マット・ケリー(Matt Kelley)氏によると、セルフレジは小売業者に人件費の節約と万引きによる出費増加の間での妥協を強いるという。
「セルフレジは本質的に、取引を監視する目が減ることを意味する」 とケリー氏は2022年、Insiderに語っている。
「不誠実な人々が不誠実なことをする機会が増えてしまうだろう」