ミレニアル世代が陥りがちな、「老後の備え」に関する4つの過ち

Liz Knueven

Liz Knueven原文翻訳・長尾莉紗/LIBER、編集・長田真

Feb 1, 2023, 5:30 PM

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ミレニアル世代の多くは、老後資金の形成をおろそかにしがちだ。
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  • あるファイナンシャルプランナーによると、老後資金の構築について、ミレニアル世代の顧客がたびたび犯す誤ちが4つある。
  • ミレニアル世代が、老後の備えよりも奨学金返済や子供の教育資金を優先しているのを、彼女は見てきた。
  • 昔の職場の企業型確定拠出年金のことを忘れていることもあれば、市場が落ち込んだときに運用商品を売ってしまう傾向もある。

ミレニアル世代にとって老後はまだまだ先だ。だが、だからといって貯蓄をすべきでない理由にはならない。

そして、貯蓄をするなら正しい方法で行う必要がある。しかし、ラーンラックス(LearnLux)のファイナンシャルプランナーであるメイミー・ウィートン氏によると、多くのミレニアル世代は老後に備えた貯蓄に関して間違った行動をしているという。

ミレニアル世代の顧客に、繰り返し見られる間違いは4つある、とウィートン氏はInsiderに語った。

1. 老後資金よりも奨学金返済を優先してしまう

多くのミレニアル世代は早く奨学金を完済したいと思っているが、それだけを優先していてはならない。老後に備えた貯蓄も同等に重視すべきだとウィートン氏は言う。

先に奨学金の返済を済ませてしまうほうがいいと考える人は多いが、実はそうでない。貯蓄を後回しにすると、複利でお金を増やす時間を逃すことになる。そうなると老後までになかなかお金が貯まらず、老後の生活資金が少なくなりかねない。

「私の好きな言葉は、『老後の生活はローンで買えない』だ」と、ウィートン氏は言う。

奨学金返済と老後に備えた貯蓄を同時に行うほうが賢い選択だ。そうすれば、返済を進めながら貯金に対する複利の恩恵を受けられる。

2. 老後資金よりも教育資金を優先する

老後のための貯蓄をおろそかにして借金を返すのと同様、老後の備えを貯める前に子供の教育資金を貯めるというのもミレニアル世代がたびたび陥る過ちだ。

「こうしたミレニアル世代は自分自身が奨学金返済に縛られてきた人も多い。なので、子供には同じ思いをさせたくないと考えている」とウィートン氏は言う。「だから子供の教育資金を貯めることを優先しているのだ。それ自体は素晴らしいことなのだが、代わりに自分の老後の人生を犠牲にしてしまっている」

ここで正しい行動は、老後の備えと子供の教育資金を同時に貯めはじめることだ。そうすれば両方の目標をきちんと達成しやすくなるだろう。ただし、両方を貯めるのに十分な資金がない場合は、老後の生活を優先しよう。

3. 転職時に確定拠出年金口座のことを忘れてしまう

仕事を辞めるときには、その職場の確定拠出年金について考えるべきだ。

「年金口座について不明になることがないように注意し、職場の年金がどうなっているのか把握しておくべき」とウィートン氏は言う。「老後のための貯蓄計画が正しいペースで進んでいるのかどうかを確認するため、年に一度はチェックするといいだろう」

また、自分のリスク許容度と老後までの年数に見合った形で資金が適切に投資されていることも確認すべきだと、彼女は言う。

このプロセスを簡単にするために、場合によっては、もっと利用しやすい年金口座にお金を移せることもある。

4. 市場が下落したときに、運用資産を売ってしまう

ミレニアル世代が犯す間違いのうち特に深刻なものは、市場が下落するたびに運用中の資産を売却してしまうことだとウィートン氏は言う。

長期的に見れば、それはお金を増やす上で最善の策とは言えない。「実際、市場が低迷しているときは投資額を増やす絶好のチャンスだ。より低いコストと価格で運用商品を購入できるのだから。そうすれば、やがて市場が上向いたときに資産を増やせる可能性が大きくなる」

運用中の資産は持ちつづけよう、とウィートン氏はミレニアル世代に助言する。保有期間が長くなればなるほど、市場の変動から受ける影響は些細なものになるのだから。

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